誤嚥ってそんなに危険?脳卒中急性期の嚥下障害で誤嚥を防ぐ2つの鉄則とは。

      2017/04/29

脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)を発症すると、急性期には約30%に嚥下障害がみられます。

我々言語聴覚士が発症したばかりの患者さんに一番気にかけることは「誤嚥

それは、時に命を奪ってしまうこともあるほど、危険なことなのです。

誤嚥とは?

食べ物や飲み物、異物などが誤って気管に入ってしまうこと誤嚥と言います。

 

誤嚥するとどうなるの?

気管に食べ物や飲み物、異物が入ってしまうと、窒息し、呼吸ができなくなり、やがては死んでしまいます。

気管を異物から守るため、私たちは「咳」という防御機構をもっています。

健康な人であれば、気管に入りかけたところで強いむせ(咳)が出て、気管に侵入しないようになっているのです。

 

ところが脳卒中後の場合など、体力が低下してしまって、異物をしっかり出せるほどの力強いむせが、できなくなってしまうことがあります。

となると、気管に食べ物や飲み物が入ってしまい、肺に到達してしまいます。

そこで炎症がおこると誤嚥性肺炎を発症してしまいます。

 

むせていなければ安心!?

それでは、食事の時にむせていなければ安心、と思われるかもしれません。

しかし、そうではありません。

夜間、眠っているときに唾液を誤嚥している場合があるのです。

この時はむせることはありません。

誤嚥性肺炎の原因は実は食べ物ではなく、この夜間に起こる「むせのない誤嚥」が原因と言われています。

 

誤嚥を防ぐため胃ろうは有効?

ここまで、読まれてきたかたは、この答えは、NOとお分かりいただけますね。

胃ろうを造って、口から食べない状態でも夜間の「むせのない誤嚥」によって、誤嚥する可能性があります。

さらに、胃ろうや経鼻経管栄養などの場合は、胃に入った栄養剤が食道を逆流する「胃食道逆流」によって、誤嚥する場合もあります。

この時は胃液が混じった栄養剤を誤嚥することになり、肺に達すると非常に重篤な肺炎を起こす可能性があります。

 

誤嚥を防ぐ鉄則はこの2つ

高齢者の死亡原因の第3位は肺炎ですが、その多くが「誤嚥」が原因となる肺炎と言われています。

しかし、たった2つのことに注意して頂くだけで、誤嚥のリスクを下げることができます。

その2つとは、

常にベッドは10度ほど背上げをしておくこと。(平らにしない)

 日中もベッド上で過ごされている方は常に傾斜をつけておき、胃食道逆流をしないようにすることで誤嚥を防ぐ効果があります。

マウスケアの徹底。とくに就寝前は念入りに。

 食事のあとはもちろんですが、就寝前に念入りにマウスケアをすることで、万が一唾液を誤嚥しても細菌がはいらないようにし、肺炎を防ぐ効果があります。食事をされていない方は必要ないと思われがちですが、口を動かさない分、唾液が回らず口の中が不潔になる傾向があります。食事をされていない方ほど念入りにマウスケアをする必要があると思ってください。

 

まとめ

脳卒中を発症し、状態が落ち着いてきたところで、さぁ、リハビリ!というときに、肺炎を起こしてしまい安静が必要になってしまったら、リハビリのスタートが遅れてしまいます。

それはとてももったいないこと。

ほんのちょっとしたことに気をつけることで、誤嚥は防ぐことはできます。

担当の看護師や、言語聴覚士にも相談しながら、急性期の食事は慎重に進めていきましょう。

 

 


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