繰り返す誤嚥性肺炎のリスク~できるだけ再発を防ぐための方法

      2017/06/18

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80歳以上の高齢者の死亡原因の第3位である肺炎。

そのほとんどが「繰り返す誤嚥性肺炎」によるものと言われています。

たかが肺炎、されど肺炎。

誤嚥性肺炎は命を奪ってしまうほど、危険なものなのか?

なぜ誤嚥性肺炎は繰り返してしまうのか?

再発を予防することはできないのか?

紐といてみたいと思います。

 

繰り返すことで起こるリスク

薬が効かなくなる

誤嚥性肺炎になると、その肺炎を起こしている細菌を抑えるために抗生物質が投与されます。

誤嚥性肺炎を繰り返すたびに、抗生物質が使われると、細菌が薬に対して耐性ができてしまい、薬が効かなくなってきます。

長期の絶食の間にさらに嚥下能力が低下する

誤嚥性肺炎になると、点滴がはじまるとともに食事が止められます。

食べる、飲み込むという運動の機会がガクッと減少し、嚥下能力がさらに低下してしまいます。

さらに、点滴だけでは栄養も不十分なので、体力も低下します。

肺炎になる前は普通に食べていたのに、肺炎後に食べられなくなってしまうという方はたくさんいます。

 

繰り返してしまう原因 ①嚥下能力の低下

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肺炎を起こしているのは細菌ですが、根本的な原因は「嚥下能力の低下」です。

嚥下能力を回復するための、嚥下リハビリももちろん行われます。

しかし、脳卒中(脳出血・脳梗塞・くも膜下出血)後遺症で、回復期(発症から約半年。リハビリによる回復が見込まれる時期)を過ぎてしまうと、症状がほとんど固定してしまい、回復よりもいかに嚥下能力を維持していくかに重きを置かれます。

そこへ誤嚥性肺炎を起こすと、食べないことによる廃用や、体力低下で、さらに嚥下能力が低下してしまうのです。

また、認知症の方でこちらの指示が理解されず、嚥下リハビリをすることそのものが難しい場合があります。

もちろん、すべての認知症の方が嚥下リハビリが難しいわけではありませんが誤嚥性肺炎を繰り返してしまうと、嚥下能力が回復するよりも、低下してしまうのが早いのが現状です。

繰り返してしまう原因 ②肺炎症状の分かりにくさ

通常、肺炎にかかると、咳・痰・発熱の症状が出ますが、誤嚥性肺炎の場合は明らかな症状が出ない場合もあります。

以下のような症状がみられた時も誤嚥性肺炎の可能性があります。

  • なんとなく元気がない
  • 飲み込むのに時間がかかる
  • ボーっとしている
  • ウトウトしてしまう
  • 食べる意欲がない
  • 活動性が落ちてきた    などなど

咳や痰、発熱のようなはっきりとわかる症状ではなく、「いつもと比べてなんか変だな」というくらいの軽い症状が誤嚥性肺炎の徴候のこともあるのです。

この症状に気が付かず、いつものように食べさせたり、飲ませたりしてしまうと、重篤な誤嚥性肺炎につながってしまうこともあります。

とくにご自宅で介護をしている方は要注意です。

 

再発を防ぐための方法

誤嚥性肺炎を繰り返す高齢者には、なかなか嚥下リハビリを実施することは難しいですが、

介護する側が気をつけることで再発をできるかぎり防ぐことは可能です。

 誤嚥を防ぐための2つの鉄則

肺炎の原因となっている、誤嚥。

脳卒中の急性期の嚥下障害で誤嚥を防ぐ2つの鉄則は高齢者の誤嚥性肺炎の方にも有効です。

 

 

常にベッドは10度ほど背上げをしておくこと。(平らにしない)

マウスケアの徹底。とくに就寝前は念入りに。

 

 

誤嚥についてはこちらの記事も合わせてお読みください。

参考記事: 脳卒中急性期の嚥下障害で誤嚥を防ぐ2つの鉄則とは

 食べる姿勢

意外とおろそかにされてしまうのが、食べる姿勢です。

寝たきりになると、ご本人も介護者も起こすのが億劫になって、寝たまま食べさせてしまうようなこと、ありませんか?

食べる姿勢を整えることも誤嚥を防ぐことにつながるので、食べる前には必ず姿勢を整えるようにします。

一番、誤嚥しにくい姿勢は、ベッド上30°にして顎を軽く引く姿勢です。

もちろん、座ることができる方は座って食べてください。

その時に、足がしっかり床について体を支えられるような高さの椅子に座るとベストです。

車椅子の場合はフットレストから足を下ろし、床につかない場合は、台を置くなどして、足が浮くことのないようにしましょう。

食べるのにいい姿勢は、その人その人によって違います。

体力的に無理なのに、リハビリだからといって車椅子に座らせてしまうのは、逆に食べることに集中できず、逆効果。

「楽に30分は座っていられる姿勢」で食べるのがいいですね。

 食事形態

嚥下能力にあった食事形態のものを食べていますか?

よく病院や施設では、嚥下食としてキザミ食が提供されていることがありますが、キザミ食は「歯のない方」のための食事であって、嚥下障害の方への食事形態ではありません。

それでも安全に食べられるのであれば、キザミ食もよいですが、あまりにも食事時間が長くなってきたら、ペースト食やゼリー食に変更することも大切です。

在宅では全てをペースト状にしなくても、野菜を柔らかく煮たりすることでそのまま食べられるものもあります。

 食事介助方法

自分で食べられない方は、介護者が介助をされていると思いますが、その介助の方法を工夫することでも、誤嚥を防ぐことができます。

  • 食事はできるだけ30分以内に終えるようにする
  • 必ず「ゴックン」を確認してから、次の一口を
  • 話しかけるタイミングに気をつける
  • むせたら少し休むこと
  • 介助者は座って介助すること
  • できるだけ介助の負担を減らすこと
  • 食べ終わったらすぐにマウスケア。義歯は外して洗うこと
  • 食後20~30分は姿勢を起こしておくこと

このようなことに気を付けて食事介助をしましょう。

まとめ

誤嚥性肺炎を繰り返してしまうたびに、嚥下能力が低下し、いずれは口から食べられなくなってしまう…ということができるだけないように、誤嚥を防ぐ方法をお伝えしました。

観察を怠らず、少しでも変化があったら慎重に、ぐらいでちょうどよいのではないかと思います。

 

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