胃ろうの医学的なデメリットと最大のデメリット

      2017/04/29

どんな治療法や薬にもメリットとデメリットはあるものです。

胃ろうについても同様。

胃ろうを選択するか否かを考える時にはメリット・デメリット両方理解する必要があります。

胃ろうのメリットについてはこちらの記事にまとめました。

▶関連記事 胃ろうにもメリットはある!胃ろうのメリットを最大限に生かすには

この記事では逆に胃ろうのデメリットについてまとめてみます。

 

胃ろうのデメリット

見た目よろしくない

やはり、胃に管をつないで栄養剤を入れられている姿を見るというのは、あまり気持ちが良いものではありません。

愛すべき家族であれば、なおさらのこと。

 

体に穴を開ける「手術」をしなければならない

胃ろうをつくる手術は何も問題がなければ、内視鏡(胃カメラ)を使って行われ、時間も30分程度で比較的軽い負担で作ることができます。

しかし患者さまや、ご家族にとっては「手術」であることには変わりありません。

他の栄養を摂る手段では手術は必要ありません。

「手術」をしなければならないということが、胃ろうをつくることに抵抗を感じる一因となっているのではないかと思います。

他の栄養を摂る手段についてはこちらの記事もお読みください。

▶関連記事 栄養を摂る手段

 

誤嚥性肺炎のリスクを下げられるわけではない

一日に必要なすべて栄養を胃ろうからとり、口から食べなければ誤嚥もしないし、肺炎も起こらないか、というとそれは大きな間違いです。

夜間眠っているときに、唾液を誤嚥していることがあります。

口から食べないから、といってマウスケアを怠っていると、口の中でどんどん細菌が増え、それと唾液が混じって誤嚥してしまいます。

口から食べていない人ほど、しっかりマウスケアをする必要があります。

誤嚥についてはこちらも合わせてお読みください

▶参考記事 誤嚥ってそんなに危険?脳卒中急性期の嚥下障害で誤嚥を防ぐ2つの鉄則とは?

 

逆流しやすい

また、胃ろうで使う栄養剤は液体なので、胃に入った栄養剤が逆流して誤嚥することもあります。

栄養剤の注入中と注入後は、ベッドを30度以上上げた姿勢もしくは座った姿勢にしておかなければなりません。

このような姿勢に気を付けていても、もともと胃に入ったものが逆流しやすい「胃食道逆流症」の方も時々おられます。

そのような場合は液体の栄養剤にとろみをつけた「半固形化経腸栄養剤」を使うことで逆流を防ぐことができることがあります。

通常、胃ろうから注入される栄養剤は液体で、点滴のように滴下して少量ずつ入るのですが、この「半固形化経腸栄養剤」はちょうど液体と固体の中間のような栄養剤で、大きな注射器を使って直接胃ろうの管に注入します。

さらさらの液体に比べて、とろみのある状態なので逆流しにくいメリットもあり、注入時間も15分くらいと短縮できます。

 

管の交換は医療機関で 半年に1回必要

半年に1回は医療機関で胃ろうの管の交換が必要です。

交換そのものは、胃ろうの管を抜くときに少し痛みがありますが、それほど難しい処置ではありません。

 

まとめ~最大のデメリット 

栄養剤を一日3回機械的に注入され、口から食べる喜びも、楽しみも奪われ、ただ息をして「生かされている」状態にしてしまうというイメージから「望まない延命治療」につながるとして批判も多い胃ろう。

そのイメージが先行し過ぎて、胃ろうはよくないものと誤解され、医師から勧められてもはじめから拒否されることもあります。

胃ろうの最大のデメリットは「胃ろうに対する誤解」だと思います。

まず、患者さんに胃ろうをつくることが医学的に適応があるのか、ないのかを考えるべきです。

もし胃ろうの適応があるなら、メリットも、デメリットも理解した上で、胃ろうをつくるか、つくらないかを選択。

適応がない場合は、本人、家族の生き方や死生観にそった対応をする。

胃ろうはメリットもデメリットもある1つの治療法であり、それを理解したうえで選択するかどうか決めてくださいね。

 

 


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