ドラマ「コウノドリ」第1話に言語聴覚士登場?ドラマでみる言語聴覚士の仕事とは?

      2017/10/17

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この秋から始まった「コウノドリ」というドラマですが、なんと第1話に言語聴覚士が登場していたのだそうです。

私つばめも言語聴覚士であり、主に高齢者のことばや飲みこみのリハビリをメインに仕事をしていますが、周産期や聴覚障害にかかわる言語聴覚士もいます。

ドラマに登場した言語聴覚士はどのような役割で登場したのか、そしてドラマに出てきた耳の聞こえない妊婦の出産前後の物語から、聴覚障害のある方とのコミュニケーションの方法についてお伝えしたいと思います。

 

「コウノドリ」とは

医師であり、ジャズピアニストでもある、鴻鳥サクラが主人公の産科医療漫画。医療機関名は「聖ペルソナ総合医療センター」。妊婦とその家族を中心にストーリーが展開していく。

2015年10月から実写テレビドラマ化され、同年12月まで放送された。2017年10月から第2シリーズが放送中。

Wikipedia より引用

 

第2シリーズ第1話では

第1話のなかでは耳の聞こえないの妊婦の出産の様子が描かれました。

出産前の診察でのサクラ先生(綾野剛)とのやりとりや、出産時のコミュニケーションの仕方なども印象的でした。

 

言語聴覚士はどこに登場?

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言語聴覚士はドラマの中で生まれたばかりの赤ちゃんの聴こえを調べる「新生児聴覚スクリーニング検査」の時に登場していました。

 

新生児聴覚スクリーニング検査とは

生まれたばかりの赤ちゃんの耳がちゃんと聞こえるかどうかを調べる検査です。

音を聞かせて脳波を取る聴性脳幹反応(ABR)という方法を用います。

赤ちゃんが眠っている間に行う検査です。

 

このドラマの医療監修をされている神奈川県立こども医療センターの豊島勝昭さんのブログによると、この新生児聴覚スクリーニング検査をしていたシーンで検査をしていた方は、実際にこの検査手技に手慣れた言語聴覚士さんだったそうです。

 

 

生まれたばかりで検査をする必要性は?

スクリーニング検査なので、この検査で反応がなかったからといって直ちに聴覚障害と判定されるわけではありません。

より精密な検査が必要な赤ちゃんを見つけるために行われます。

赤ちゃんは生まれたときから、周りのいろいろな音、ことばを聞いて発達していきます。

ことばを聞くことによって、自分も言語を獲得していきます。

耳の聞こえが悪い状態であると、知能や言語の獲得に遅れを生じる可能性が高くなってしまいます。

できるだけ早い段階で聴覚障害を見つけ、必要な治療、聴力を補う方法(補聴器や人工内耳の適応など)や、コミュニケーションの取り方の工夫など適切な対応をするために、新生児聴覚スクリーニング検査が行われるのです。

 

ドラマに登場した耳の聞こえない妊婦も、生まれつき耳が聞こえなかったそうですが自分の場合には発見が遅れて大変だった、自分の子どもには同じ思いをさせないように、サクラ先生に聴覚検査をお願いするシーンがありました。

 

 

言語聴覚士は手話をしていた人ではないの?

よく聞かれることなのですが、「言語聴覚士」と言われるように、聴覚という言葉がはいっているせいか、手話をする人?と思われることもあるようです。

ドラマの中で、耳の聞こえない妊婦さんの初回の診察の時にサクラ先生の隣で手話で通訳していた白衣を着た人がいました。

もしかしたら、この人が言語聴覚士なのでは?って思われた方もいらっしゃるかもしれません。

 

この人は前作のコウノドリから出演しているメディカルソーシャルワーカー(医療相談員・MSW)でした。

 

メディカルソーシャルワーカー(医療相談員、MSW)とは

保健医療機関において、社会福祉の立場から患者さんやその家族の方々の抱える経済的・心理的・社会的問題の解決、調整を援助し、社会復帰の促進を図る業務を行う

引用:www.jaswhs.or.jp/guide/sw.php

 

ドラマに登場したメディカルソーシャルワーカーさんは「必要であれば手話のできる保健師を派遣することもできる」と言っていましたが、まさに、患者さんに必要なサービスのコーディネートをするのが役割です。

誤解のないように言っておきますが、メディカルソーシャルワーカーさんが手話が必ずできるわけではないと思います。

(中にはできる方ももちろんいらっしゃると思いますが、全員が出来るわけではありません)

 

そして、言語聴覚士もまた、必ずしも手話ができるわけではありませんし、出来なければいけないということもありません。

私自身も、聴覚障害の方のリハビリを行うことはあるので必要最低限の簡単なものなら分かりますが、完璧にできるわけではありません。

そして、聴覚障害の方と接するときに手話が絶対必要なのか、というとそうでもないことの方が多いのです。

 

聴覚障害の方とのコミュニケーションの仕方

耳の聞こえない妊婦さんとサクラ先生はじめスタッフとのコミュニケーションは、口元を読み取る口話と、筆談が使われていました。

そして、簡単な手話をスタッフ側も使っていました。

手話、口話、筆談、この3つの手段を実際に使ってみると分かるのですが、どれもメリット・デメリットがあります。

手話はそのサインを知っているもの同士でないと伝わりませんし、口話は医療用語など難しい言葉や説明は分かりにくいです。

筆談はその点細かいことも説明できますが、すべてを筆談で伝えるのも大変です。

出産時の時のように、予めカンペを用意しておくのはとても良いアイデアだと思いました。

聴覚障害の方がスムーズに周りの方とコミュニケーションできるように、援助することも言語聴覚士の仕事のひとつです。

 

ドラマの中で、状況に合わせていろんな手段を併用してコミュニケーションされているようすが描かれているのはとても現実的だと感じました。

一般的なイメージだと、耳の聞こえない人には手話でという固定観念があるような気がしますし、聴覚障害の方が登場するドラマは手話でコミュニケーションをとっているものが多かったような気がします。

でも、思いを伝える、コミュニケーションする、その手段は本当は何だっていいと思います。

もちろん、手話もその手段の一つです。

手話を知らなくても、その場で思いついたジェスチャーでもいいんです。

耳の聞こえない妊婦さんの出産のシーンは、ありとあらゆる手段を用いてコミュニケーションをとりながら、妊婦さん、スタッフさんが一丸となって出産に立ち向かう、とてもいいシーンだと感じました。

先に上げた豊島勝昭さんのブログの中でも、聴覚障害の方の現状については実際に耳鼻咽喉科の先生や言語聴覚士に相談されたということが書かれていました。

だからこそ、あのようないろいろなコミュニケーション手段を使ってのシーンになったのではないかと思います。

 

 

まとめ

まだまだ、知名度の低い言語聴覚士。

ドラマに登場することはほとんどありません。

今回、現役の、しかもその検査手技に手慣れた言語聴覚士さんが実際のドラマに登場したと聞いて、分野は違えど同じ言語聴覚士としてとてもうれしく思うとともに、ドラマ制作スタッフのドラマにかける思いを強く感じました。

私つばめは、高齢者のことばと飲みこみのリハビリを主にやっているので、このブログのテーマも自然とそのことに関したものばかりを記事にしています。

でも同じ言語聴覚士でも、このドラマに登場した方のように新生児の聴覚検査に関わる仕事をしていらっしゃる方もいます。

また、聴覚障害の方のコミュニケーション手段を一緒に考えることも、言語聴覚士の大切な仕事のひとつです。

多岐に渡る言語聴覚士の仕事をドラマを見ている多くの人に知って頂きたくて、ブログのテーマから少し外れるかもしれませんがこの記事をまとめました。

少しでも言語聴覚士に興味を持ってくださる方が増えたら、嬉しいです。

 

 

ドラマ「コウノドリ」については公式ホームページで詳しくご覧いただけます。

TBSドラマ「コウノドリ」毎週金曜夜10時から放送 http://www.tbs.co.jp/kounodori/

 

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