
健康診断などで
血糖値が高い
コレステロールが高い
と指摘され、気にはなっているんだけれど、
忙しくて、つい…
ストレスたまって、つい…
分かっているけど、何もしていない
そんな毎日を送っている人もいらっしゃるかと思います。
簡単に、血糖値を下げる方法ないかな…
あるといいですよね。
栄養素の中には、
血糖値やコレステロールを下げる働きを助けるものがあります。
それがクロムというミネラルです。
じゃあ、クロムが入ったサプリを飲めばいいね。
と思うかもしれません。
でもサプリメントにもメリット、デメリットがあります。
この記事では、
クロムというミネラルの働きと
サプリのメリット、デメリット、
クロムをとるなら、サプリがいいのか、食べ物がいいのか、
一緒に考えていきたいと思います。
もくじ
クロムとは
クロムはカルシウム、マグネシウムなどと並ぶ
ミネラルと呼ばれる栄養素の一つです。
身体に必須のミネラルは16種類ありますが、クロムもその中に含まれます。
体に必要な量はごくわずかですが、
それが欠乏すると体に支障をきたしてしまいます。
クロムの働き
- 糖の代謝を助ける → 血糖値を下げる
- 脂質の代謝を助ける → コレステロールを下げる
- たんぱく質の代謝を助ける
クロムの働きの中で特に注目されるのは、
糖代謝を助ける働きです。
私たちが食事をすると血液中に糖が増えます。
これが血糖値が上がった状態です。
血液中の糖を細胞に送り込む作用をしているのが
インスリンというホルモンです。
このインスリンは、
クロム・ビタミン・アミノ酸で作られるGTF(ブドウ糖耐性因子)がないと、
細胞に糖を送り込めないのです。
細胞に糖を送り込めないということは、
血液中の糖が代謝されない、
つまり高血糖が続いてしまうということです。
いずれ糖尿病になる可能性もあります。
糖尿病についてはこちらの記事に詳しくまとめました
逆に細胞の側は糖を取り込めず、
エネルギーが得られないため、活動ができなくなってしまいます。
クロムの標準摂取量
成人で1日10㎍(マイクログラム)が目安とされています。
㎍(マイクログラム)という単位ですが、
1㎍=1,000,000分の1gなので、
ほんのわずかな量とイメージつくかと思います。
しかし、そのわずかな量でも足りなくなると、
体にとっては困ることがおきます。
サプリでクロムを摂るメリット・デメリット
血糖値、コレステロールが高くて気になっている人にとっては、
クロムは救世主となるかも、
と期待するかもしれません。
手っ取り早くクロムのサプリを飲めば、
いいんじゃないか、
そんな風に思うかもしれません。
でもサプリメントにもメリット・デメリットがあります。
サプリメントのメリット
サプリメントのデメリット

その結果、健康被害やアレルギー症状が出ることもある。
実際に過剰摂取することで、慢性腎不全を起こしたという報告があるそうです。

東京福祉健康局の調査(2006年)では、
クロムが含まれるサプリメント71製品を調査したところ、そのうち24製品が一日に摂取が推奨される量30㎍を超えていたとのこと。
ではどのようにクロムを摂取する?
サプリメントで取る場合
1.サプリメントの品質をしっかり見極める
世の中には多種多様なサプリメントが販売されています。
自分の体、健康のためにしっかり品質を吟味しましょう。
2.サプリメントを取り過ぎない
サプリメントは薬ではないので、いくら飲んでも大丈夫と思いがちかもしれません。
そして飲めば飲むほど効果が高まるのではないかと思うかもしれません。
サプリメントは取り過ぎれば健康を害することもあります。
血糖値が高い方の中には、糖尿病の薬物治療を受けている方もいるかもしれません。
薬とクロムの併用は低血糖を引き起こす可能性があります。
血糖は高すぎてもいけないし、低すぎてもいけません。
命の危険が伴うのは低血糖です。
糖尿病の薬物治療を受けている方がクロムが含まれるサプリメントを取る場合は、一度主治医に確認するのが安心です。
3.サプリメントに頼り過ぎない
サプリメントはあくまで補助する働きをするものです。
血糖値を下げたいのであれば、その原因に対処する必要があります。
血糖値が上がる原因は何でしょうか?
日頃食べているものと運動不足が大きな原因です。
日頃から血糖値を上げるような生活習慣を見直していくことが重要です。
食事からクロムを摂取する場合
ここでクロムが含まれている食品にはどんなものがあるのか、見てみましょう。
<クロムが含まれる食品>
食材100gあたりに含まれるクロムの量で左から含有量が多い順に並んでいます。
あおさ、青のり、寒天、昆布、ひじき、わかめ、焼きのり
バジル、パセリ、パプリカ(粉)、黒こしょう、カレー粉、さんしょう、唐辛子、シナモン、ワサビ(粉)、生姜(粉)、練りマスタード
ミルクチョコレート、小豆あん、スポンジケーキ、あられ
紅茶、煎茶
米粉、小麦粉、中華めん
かぼちゃ、じゃがいも
きな粉、炒り大豆、がんもどき、ささげ、凍り豆腐、油揚げ、らっかせい、湯葉
顆粒和風だし、顆粒中華だし、テンメンジャン、黒蜜、中濃ソース、デミグラスソース、トマトケチャップ、ナンプラー、柚子胡椒、メープルシロップ、バルサミコ酢、減塩みそ
サバ缶、さざえ、あわび、牡蠣、あさり
鶏肉(つくね)、牛肉(リブロース)
きくらげ、アマニ、アマランサス、けし、ぎんなん、ごま
さて、これらの食品リストをみてどう感じるでしょうか?
海藻類や香辛料に多く含まれるのが特徴的ですね。
またウスターソースやトマトケチャップなど、どこの家庭にもある普段よく使うような調味料にも含まれています。
ミルクチョコレートにも含まれていますね。
中華麺にも含まれているのでラーメンもいいですし、お好み焼きに青のりをかけてもいいですね。
ショートケーキにも含まれています。甘いもの好きにはたまりませんね。
あなたが日頃口にすることの多い食品がこの中にたくさん含まれているでしょうか?
それともあまり食べない食品ばかりでしょうか?
今まで口にすることはなかったけれど、意識することによってこれから食べることを習慣づけることができそうですか?
ただ、海藻も香辛料も調味料も、一度にたくさん使うものではありません。
1回使う量に対して、摂取できるクロムの量はほんのわずかかもしれません。
でも成人の1日の摂取目安量は10㎍。必要な量もほんのわずかです。
逆にたくさんクロムをとるために、ミルクチョコレートやショートケーキばかり食べていたら、クロムも取れますが糖質も過剰に摂ってしまうことになります。
血糖値を下げるために食べているはずなのに、逆に血糖値を上げてしまうことになります。
サプリ?食事?どっちがいい?
サプリメントのメリットとデメリットはお分かりいただけましたか?
そしてどんな食品にクロムが含まれるのか、どのくらい食べれば必要な量摂取できるのか、少しイメージできたでしょうか?
サプリメントをとったほうが良いのか、食事からとったほうが良いのか、これらの情報から自分で考えてみることが大切です。
人それぞれ、体質も、仕事も、環境も違うのです。
自分のことは自分で一番わかっているはずです。
ご自分の状況に合わせて、サプリメントが必要と思えば、品質をよく吟味したうえで、用量を守って摂ってみるのも一つの選択肢です。
この食品たちを見て、「自分が日頃食べているものが多いな」と思うのであれば、サプリメントを摂る必要はないと判断すればよいと思います。
そして血糖値を下げるために一番大切なことは、
サプリメントや食事でクロムを摂ることだけに頼らず、
自分自身の生活習慣を見直し、血糖値を上げている原因に向き合うことです。
まとめ
- この記事では私たちの身体に必須なミネラルであるクロムを取り上げました。
- クロムは、血糖値を下げたり、コレステロールを下げたりする働きを助けるために必須の栄養素です。
- 血糖値が高くて悩んでいる人たちにとっては救世主にも思えるクロムですが、サプリメントで取ることにはメリットもあれば、デメリットもあります。
- クロムについてしっかり調べ、サプリメントで摂るのが良いのか、それとも食事で摂るので充分なのかは自分で判断しましょう。
血糖値が高い人にとって、
クロムにすがりたくなる気持ちは理解できます。
でも、
ただ「血糖値を下げる働きがあるから」とか
「サプリだと手軽に摂れるから」とか、
安易な考えでサプリメントを飲んだり偏った食事をしてしまったりすると、
逆にカラダを壊してしまうこともあります。
自分のカラダは自分で守る
これが一番大切なことです。