介護でかかった費用も医療費控除が受けられる?医療費控除と確定申告の方法について

      2017/11/30

 

脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)後に在宅療養をされている方や施設入所している方を介護している場合、医療保険、介護保険があるものの、日々の医療費、介護費の出費は積み重なると大きいものとなります。

介護の日々が長くなれば長くなるほどさらに負担も大きくなります。

そんな医療費、介護費の負担を軽くするために、医療費控除の制度があることをご存知でしょうか?

確定申告、医療費控除など、税金にまつわることはとても複雑で分かりにくいものです。

ことばを聞くだけでも「面倒くさい」って思ってしまう方も多いのではないでしょうか?

しかし、税金の納入は催促されますが、還付は自分で申告しないとお金は返ってきません。

医療費控除については知っておくのと知らないのとでは、後々雲泥の差がでます。

この記事では、脳卒中後の家族を介護している方が、少しでもお金の負担が減るよう、医療費控除と確定申告の方法についてできるだけ詳しくお伝えします。

 

医療費控除とは

1年間(1月1日~12月31日)で、本人もしくは、「生計を一にしている」家族全員にかかった医療費の合算が10万円(所得が200万円以下の場合は所得の5%)を超えた分を所得から控除することができる制度のことです。

確定申告を行うことで、税金の還付(返金)を受けることができます。

確定申告とは

所得税及び復興特別所得税の確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた全ての所得の金額とそれに対する所得税及び復興特別所得税の額を計算し、申告期限までに確定申告書を提出して、源泉徴収された税金や予定納税で納めた税金などとの過不足を精算する手続です。

国税庁HP https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tokushu/hajimete.htm

医療費控除について、もう少し分かりやすく説明しましょう。

1年間で家族全員分の医療費の合計が、10万円を超えると(所得によります)、その超えた分は所得から差し引かれ、その分課税される税金が少なくなります。

源泉徴収など支払い済みの税金から、多く払い過ぎた分を返金してもらう手続きをするのが確定申告となります。

 

家族全員分の医療費を合算できる

医療費控除は、自分が支払った医療費だけではなく、家族全員分の医療費を合算することができます。

国税庁「医療費控除の概要」には、「生計を一にする家族」という表現がされています。

国税庁が示している「生計を一にする」の意義に、

「生計を一にする」とは、必ずしも同居を要件とするものではありません。例えば、勤務、修学、療養費等の都合上別居している場合であっても、余暇には起居を共にすることを常例としている場合や、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合には、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。

 なお、親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。

国税庁 https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1180_qa.htm#q1

とあるので、同居している家族はもちろん、一緒に暮らしている(生計を共にしている)親類も含まれます。

また、離れて暮らしていても、医療費、介護費などを負担している場合は「生計を一にする」とみなされます。

 

対象となる医療費は?

例として次のようなものが挙げられます。

  • 医師または歯科医師による診療費・治療費
  • 病院などの入院費
  • 薬代
  • 医師が必要と認めた、義手、義足、松葉杖、補聴器、義歯などの購入費用
  • おむつ代(おむつ使用証明書)

などがあります。

▶参考 国税庁 https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1122.htm

 

脳卒中を発症し病院に入院して治療を受けた際にかかった費用についてはもちろん医療費控除の対象になります。

さらに、病状が落ち着いて退院し、自宅での生活が可能となった時にも、次のような介護サービスを受けた場合にも医療費控除の対象になることがあります。

 

 

介護サービスで医療費控除となる項目は?

例えば脳卒中後に自宅で生活されている方は、在宅で治療・リハビリなどを受ける場合と、通って治療やリハビリなどを受ける場合があります。

 

在宅療養の場合

利用者宅にスタッフが訪問するサービス

  •  訪問介護
  •  訪問入浴介護
  •  訪問看護
  •  訪問リハビリテーション
  •  居宅療養管理指導(医師などによる管理・指導)

 

利用者が通ってサービスを受けるもの

  •  通所介護(デイサービス)
  •  通所リハビリテーション(デイケア)

 *通うための交通費も控除の対象になります。自家用車で通った場合のガソリン代は控除に含まれません。

 

短期間施設に入所するもの

  •  短期入所生活介護(ショートステイ)
  •  短期入所療養介護(ショートステイ)

介護者の都合などで一時的に施設に入所する場合のショートステイも医療費控除の対象となります。

 

福祉用具貸与

 車椅子、介護用ベッドなど

 

どの項目が医療費控除の対象になるかは、分かりにくいかもしれませんが、居宅サービス事業者が発行する領収書には、医療費控除の対象となる金額が記載されることになっているので、領収書をしっかり保管し、金額を確認しておくとよいでしょう。

 

▶参考 国税庁HP https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/010131/01/03.htm

 

 

 

施設に入所している場合

脳卒中後に病状が落ち着いた後、何らかの理由で在宅で介護ができず、施設に入所される方もいらっしゃると思います。

施設に入所した場合も、医療費控除を受けることができますが、入所した施設によって医療費控除の額が変わるので注意が必要です。

 

  • 介護老人保健施設(老健)
  • 介護療養型医療施設(療養病床)

  →介護費、食費、居住費としてかかった費用の全額

 

  • 特別養護老人ホーム
  • 地域密着型介護老人保健施設

  →介護費、食費、居住費としてかかった費用の1/2の額

 

ただし、入所した場合にかかった全ての費用が控除されるわけではありません。

例えば、散髪代や、洋服代など日常的に個人が必要とされるものは控除の対象外となります。

 

▶参考 国税庁 http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1125.htm

 

介護保険のサービスについてはこちらの記事もご覧ください

 

確定申告の方法

次の3つの書類をそろえて税務署に提出します。

平成29年度分の確定申告の時期は平成30年2月16日~3月15日です。

 

  • 確定申告書
  • 医療費控除の明細書
  • 給与所得の源泉徴収票

 

平成29年分の確定申告から、医療費の領収書の提出は必要なくなり、医療費控除の明細書が必要となりました。

しかし申告時に領収書を提出する必要がなくなっても捨てずに、医療費の領収書は5年間自宅で保存しておきましょう。

税務署から提出を求められる場合もあるそうです。

 

医療費控除の明細書についてリーフレットはこちら

http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/pdf/iryoukoujyo_meisai.pdf

 

 

確定申告のポイント

医療費にいくら支払っているのかこまめに確認する

医療費控除は「生計を一にする家族」全員の医療費を合算した額が対象になります。

一緒に暮らしていなくても、例えば仕送りをしている子供の医療費や、親の介護費を支払っているのであれば、それも医療費控除の対象になります。

1年に医療費がどのくらいかかっているのかをこまめに確認し、秋ごろ、一度医療費控除対象額を計算してみるとよいかもしれません。

もしかすると、先延ばしにしていた治療を年内に済ませることでと、医療費控除額が上がる可能性もあります。

こまめに確認するためにも、医療費の領収書などはきちんと管理するようにしましょう。

尚、その年に確定申告し忘れていても、5年間は遡って申告することも可能です。

 

所得の一番高い人が確定申告する

家族のうち誰が確定申告をしてもいいのですが、所得税は所得が高い人ほど、税率が高くなるため、所得が一番高い人が申告をした方がお得になる場合があります。

会社勤めのサラリーマンの場合は会社で12月に年末調整が行われ、通常は確定申告する必要はありませんが、医療費控除を受ける場合には、自分で確定申告をする必要があります。

また、住宅ローン控除などで支払う所得税がない場合でも、翌年支払う住民税の額は減らすことができるので、医療費控除の申告はしておいた方がよいでしょう。

 

 

まとめ

脳卒中後の家族を介護している方が受けられる可能性がある医療費控除についてまとめました。

 

  • 医療費控除は、医療費だけではなく介護サービスにかかった費用についても医療費控除の対象になります。
  • 医療費の領収書を最低5年間はきちんと保存をしておきましょう。
  • 医療費控除は確定申告で申告することによって、税金が還付されます。

 

 

「医療費控除が受けられそうだけれど、書類の書き方、計算の仕方などが分からない」という場合は、医療費の領収書を持って、納税地の税務署へ行くか、確定申告会場の相談コーナーを利用するのも一つの方法です。

近くの税務署を調べたい場合は、国税局のホームページが便利です。

 

国税局ホームページ https://www.nta.go.jp/soshiki/kokuzeikyoku/chizu/chizu.htm

 

 

 

この記事は以下を参考にして作成しました。

保険の教科書 http://hoken-kyokasho.com/iriyouhikoujiyo-kakuteishinkoku

保険ジャーナル http://hokensc.jp/news/20151127/

 

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