
2018年9月24日NHKで放送された 【東洋医学ホントのチカラ】ではさまざまな視点から東洋医学について検証されていました。
その中に「漢方薬で認知症の症状が改善した」という話題もとりあげられていました。
その漢方薬とは
人参養栄湯(にんじんようえいとう)。
実際に、認知症の症状に悩んでいる方やそのご家族にとっては、とっても気になる情報ではないでしょうか?

ぜひ試してみたい!
漢方薬の方が安心できるし。
なんて思われた方も多いのではないかと思います。
この記事では
- 人参養栄湯とは
- 漢方薬についてと入手方法
- 認知症を予防するために
についてお伝えします。
人参養栄湯とは
効用
消化器のはたらきを高め、栄養をすみずみにいきわたらせ「気」と「血」の両方を補います。
引用:クラシエ漢方セラピー
配合されている生薬
人参(にんじん)
当帰(とうき)
芍薬(しゃくやく)
地黄(じおう)
白朮(びゃくじゅつ)
茯苓(ぶくりょう)
甘草(かんぞう)
桂皮(けいひ)
黄耆(おうぎ)
遠志(おんじ)
陳皮(ちんぴ)
五味子(ごみし)
どんな人におすすめ?
・昔より食欲も元気もなくなってきたという方
・疲れやすく人に会ったり、出かけるのもおっくうという方
・筋力も低下した気がするという方
引用:クラシエ漢方セラピー
東洋医学では「気」という表現をしますが、「気」とは身体中を巡っている目に見えないエネルギーのこと。
「気」が虚している(=少なくなっている)と、そこから全身をめぐる「血(けつ)」も虚してしまうと考えられています。
「血」とは食べ物、飲み物から作られて身体中に栄養を届ける役割をします。
人参養栄湯はその「気」と「血」を補う効能があり、元気がなくなって、食欲も落ちてしまい、その結果体力も落ちてしまっているような方に処方されます。
確かに年をとると気力、体力が衰えてしまって、何か積極的に取り組もうとする気や、外へ出かけて人と会おうという気が萎えてしまいがち。
家に引きこもってしまう方も少なくありません。
でも家に引きこもり、外界からの刺激を受けることが少なくなってしまうと、脳に入る刺激の量が減り、脳が働くチャンス少なくなってしまいます。
そんな生活を長く続けてしまうことによって、認知症の症状が出やすくなります。
この人参養栄湯という漢方薬によって、気力、体力が回復し、少しずつでも外へ出掛けたり、何か新しいことに取り組もうという気持ちになることで脳に多くの刺激が入るチャンスが高まるので、認知症の発症や進行を抑える働きが期待できます。
科学的メカニズム
【東洋医学ホントのチカラ】では人参養栄湯がどのようなメカニズムで働くのかも紹介されていました。
脳内には脳神経細胞がネットワークを作って、情報を伝えています。
脳神経細胞は長い神経線維を持っていて、ミエリンという鞘に覆われています。
ミエリンは所々途切れています。
この途切れたところはランビエ絞輪と言います。
情報を長い神経線維を通じて伝えていくのですが、情報は電気信号となって、ミエリンをまたいでランビエ絞輪を飛び飛びに伝わります。
その結果、情報を早く伝えることができます。
認知症の場合は、この神経線維を覆っているミエリンが消失していく傾向があります。
ミエリンがないと、情報を伝える速度が遅くなってしまいます。
人参養栄湯を服用することによって、このミエリンの消失を防いだり、再生が促されることがわかってきたと番組内では紹介されていました。
さて、ここまで人参養栄湯の効果、効能を紹介してきました。
認知症の症状に悩んでいる方の中には、「これはもう、飲むしかない」と思っていらっしゃるかもしれません。
では実際に人参養栄湯のような漢方薬は、どのように手に入れればよいでしょうか?
今では、漢方薬も薬局やドラッグストアで簡単に手に入れることができますが、漢方薬も薬です。
次は、その漢方薬を購入する方法についてお伝えします。
漢方薬とは
漢方薬とは植物や動物、鉱物など自然界にあるものから作られた薬のことです。
これらを生薬(しょうやく)といい、目的にあわせていくつかの生薬を組み合わせてつくります。
人参養栄湯は12種類の生薬を組み合わせて作っています。
漢方は中国のものというイメージがあるかもしれません。でも実際には、飛鳥時代に中国から伝来した医学を元に、日本の風土や日本人の体質に合わせて発展し体系化されてきたものです。
一般的な薬と比較して、1500年以上の非常に長い歴史があります。
漢方薬は通常、症状に対して処方されるものではなく、その人の体質、気質などを詳しく調べて処方されます。
その人の体質、気質のことを“証(しょう)”と言いますが、その証に合わせて、必要な生薬をいくつか組み合わせて、1回に飲む量や回数などを指導されてのみます。
漢方薬はもともと、これらの生薬を乾燥させたものを煎じて飲むものでした。香りも味もとても苦く、まずいイメージがあるかもしれません。しかし、最近では生薬のエキスを顆粒状にしたものが主流となっています。成分も均質化され、飲みやすくなりました。
ここで気をつけていただきたいことは、自然由来の薬だからといって、薬であることには変わりはないということです。
薬は当然、副作用を伴います。
用量用法を守らないと、薬によっては危険な場合もあります。
漢方薬を手に入れるための方法
漢方薬を購入する方法としては次の3つがあります。
漢方薬局
病院・クリニックなど
ドラッグストアの場合
一番簡単に入手できる方法が、近所のドラッグストアで購入する方法です。
サプリメントのような感覚で手に入れられる手軽さがあります。
しかし、自分の体質に合った漢方を選択できない場合は、服用しても効果が見られない場合があります。
また、ドラッグストアに置かれているような漢方薬は生薬の量が少なめになっていることもあり、思うような効果が得られない場合もあります。
また1週間分で1500円〜2000円と割高でもあります。
購入する際には薬剤師や店員とよく相談してください。
インターネットでも購入することが可能です。
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漢方薬局の場合
漢方に精通した薬剤師が時間をかけて問診し、自分に合った漢方薬を選択してもらえます。
病院では扱っていないような漢方薬もありますが、保険がきかないため、高額になる可能性もあります。
しかし、自分の体質にあった漢方薬を選んでもらえるため、その効果も高いです。
病院・クリニックなどの場合
漢方に精通する医師がいる場合は別ですが、ほとんどの場合はその方の体質を見ることはあまりなく、その症状に対して漢方薬が処方されることがほとんどです。
保険適用される漢方薬には限りがあり、保険適用外の漢方薬の場合は高額になることがあります。
すでに持病などがあって、薬を飲んでいるという場合には、飲み合わせの問題もあるので主治医に相談することをお勧めします。
どの場合で漢方薬を入手したとしても、必ず用量・用法を守って服用してくださいね。
まとめ
- 【東洋医学ホントのチカラ】で紹介されていた人参養栄湯という漢方薬についてお伝えしました。
- 漢方薬とはいえ、薬であるということを踏まえ、自分に合った漢方薬を選択し、用法用量を守って服用することがとても大切です。
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