高齢者嚥下障害の方が食べやすい食事とは?食材別の食べやすさの工夫と注意するべき点

   

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脳卒中などで嚥下障害になったにもかかわらず、懸命にリハビリをして食べられるようになり、自宅へ退院できるようになった場合にひとつ問題になりやすいのが、嚥下障害でも食べやすい食事をどう作るかということがあります。
 

ここでは、自宅でできる食材別に食べやすくする工夫と、逆に食べるときには注意しなくてはならないことについてお伝えします。

摂食嚥下障害になると

食べ物を口の中に取り込んで、咀嚼し、送り込んでゴックンすることすることを摂食嚥下と言います。

主に脳卒中後や高齢者の場合、この一連の摂食嚥下の動きに何らかの障害が出ることがあります。

口唇や舌が動かしにくくなる方もいますし、ゴックンと飲みこむこと自体が難しくなる方もいます。

また、高齢者の場合、入れ歯を使っている方も多く、噛みにくさについても考慮が必要な場合があります。

ここでは、脳卒中発症後にリハビリを行って改善した、軽度の嚥下障害の方が食べることが出来る食事形態の工夫の仕方をご紹介します。

 
※軽度の嚥下障害は次のような方を想定しています※
最低限、飲みこみやすさ、食べやすさに配慮した食事が必要となるレベル。具体的には、箸やスプーンで簡単に切ることのできる程度の柔らかさのものを、しっかり噛んで食べることが出来る。自分で食べているか、介助を必要とするかは問わない。水分はそのまま、もしくは薄いとろみでむせることなく飲むことが出来る。
 

食材別 食べやすくする方法

基本的には

  • やわらかい
  • ひとまとまりになりやすい
  • なめらか

この3点がポイントとなります。

食材別に見ていきましょう。

主食

お米
全粥、雑炊(具も柔らかく煮る)、軟飯、
麺類
一口で入る長さに切ったうどん、そば
パン

フレンチトースト、パン粥

パンそのものは食べにくい。トーストも難しい。そのまま食べる場合は、コーヒーや牛乳など少し湿らせてから食べる。

肉・魚・卵系

ひき肉につなぎを多めに入れてハンバーグもしくはつみれにする。

煮込み料理、グラタン、コロッケの具などにする

冷めると固くなるので、温かいうちに食べる

脂肪の多い魚、白身魚を煮付けにする(例 タラ、ブリ、カレイ、ヒラメなど)

すり身にしてつみれにする

刺身、ネギトロなどのたたきにする

火を入れるとパサパサする魚(例 カツオ、カジキ、マグロ、サケ)などは銀あんや煮汁、ホワイトソースなどを利用して食べるとよい。

程よく火を入れたカキもそのまま食べられる

小骨に注意

半熟卵、温泉卵、卵豆腐、炒り卵(スクランブルエッグ)、茶碗蒸し(具の内容に注意)

カスタードクリーム プリン

火を通しすぎると、固くパサパサするので食べにくくなる

野菜

イモ類

ポテトサラダやスイートポテト、マッシュポテト状など、マヨネーズ、バター、生クリームなどを混ぜると滑らかな食感となり食べやすい

煮物の場合は細かく切って煮汁をよく含ませるとパサパサせず食べることが出来る

その他野菜

旬の野菜は柔らかく煮ものにする。

ポタージュスープもよい

大根おろしも水分をできるだけ切って食べる。

れんこんはすりおろして蒸したり、火を通すととろみが出て、食べやすい形態になる

生のまま食べられるのは、トマト

ごぼう、筍、青菜のおひたしなどは繊維が強いので食べにくい

大豆製品

豆腐は絹ごし豆腐が食べやすい。木綿豆腐はすりつぶして白和え状にする

納豆 ひきわり納豆

煮豆は柔らかく煮る

豆菓子(節分の時の豆)は詰まらせる可能性もあるため危険

果物

そのまま食べられるもの
バナナ、苺、もも、メロンなど
その他

リンゴなどはすりおろす、もしくはコンポートにする 

缶詰を利用する(黄桃の缶詰など)

 

食べにくいもの

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次にあげる食材は嚥下障害が軽度であっても、食べるときに注意を要するものです。

嚥下障害の重症度によっては避けた方がよいと思います。

  •  酸っぱい…レモン、かんきつ類、酢の物
  • カリカリ…ナッツ、豆菓子、せんべい
  • もちもち…団子、餅、大福
  • ペラペラ…わかめ、海苔、最中の皮
  • パサパサ…パン、カステラ、鶏のささみ肉、魚
  • かたい、まとまらない…タコ、イカ、かまぼこ、こんにゃく

 

こんな症状があらわれたら要注意

  • むせる頻度が多くなる
  • 口の中に食べ物が残る
  • 食べるのに時間がかかる

このような症状が見られたら、誤嚥性肺炎や脱水症の可能性もあるので、かかりつけ医や看護師にまず、相談してみましょう。

食欲が落ちている時に無理に食べることのないようにして下さい。
 
▶参考記事
 

調子の悪い時には

自宅で生活していると、時には体調を崩すこともあると思います。

いつも通り食事が食べられなかったり、むせることが多かったりするようなことがあれば、その時はかかりつけ医や看護師に相談してください。

調子の悪い時には次の2点を特に注意して頂くとよいと思います。

離水をできるだけ防ぐ

おかずによっては時間が経つと水分が出てくるものもあります。その水分がむせの原因になることがあります。

また、お粥も何口か食べるうちにスプーンについた唾液でデンプンが分解され、シャビシャビの状態になってしまいます。

このような離水を防ぐには、スベラカーゼというゼリー食の素を使います。

 
スベラカーゼについてはフードケアのホームページをご覧ください
http://www.food-care.co.jp/products/sbk/index.html

 

もちろん、おかずにも使うことができます。

 

とろみをしっかりつける

いつもは水分にとろみをつけなくて、むせなく飲みこむことが出来るのに、少し体調が悪いと、ほんのわずかな水分でむせてしまうことがあります。

とろみをつけるのに、片栗粉や小麦粉、葛粉なども利用できますが、市販のとろみ調整食品を利用すると、火を入れることなく、かき混ぜるだけでとろみ状のものを作れるのでオススメです。

ただし、とろみ調整食品の場合は、あまりに多量に入れすぎると味が薄くなってしまう場合もあります。

 

まとめ

在宅で嚥下障害の方が食べやすくなるような工夫の仕方を食材別に紹介しました。

嚥下障害者用として作らなくても、家族みんなが食べられるものも多くあります。

入院中は、1人で食事することが多かったと思います。

自宅で家族みんなが同じ料理を顔を見合わせて食べられるのは、喜びにつながります。

食べにくいものにはくれぐれも気をつけていただき、家族みんなでの食事の時間を大切になさってください。

 

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