摂食・嚥下のメカニズム1 先行期の問題点とその対処法

      2017/08/30

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摂食・嚥下は5段階に分けて考えることができます。

そうすることで問題点がはっきりし、その問題点に対して対応することができます。

ここでは摂食・嚥下の第1段階先行期(せんこうき)について説明します。

 

先行期(せんこうき)とは?

先行期は認知期とも呼ばれることがあります。

口の中に食べ物が入る前に先立って頭の中で認知されることがあります。

例えば、ここに美味しそうなプリンがあります。

この時に頭の中で無意識に考えられていることとして、

  • おいしそうだ。食べたいな。 
  • 冷たいかな。甘いかな。
  • このプリンを食べるためにはこれくらいのスプーンがいるな。
  • これくらいの力でこうやってすくえば、ちょうどよい量がすくえるな。
  • 口はこれくらいの大きさ開けばいいな。

などなど。

普段私たちが意識していないところで、頭の中では過去の記憶なども呼び起こしながらプリンを食べるための準備を始めます。

そして、実際に口の中には唾液が出始めて、いつでもプリン来い!という準備が整うのです。

これらのことは、無意識におこなわれているので、健康な人は気づきません。

しかし、先行期に問題が起こると次のようなことになります。

 

先行期に問題がある時

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昼間もウトウト、食事の時間だから無理やり起こしてみるものの、本人は眠たくて仕方がない。

食事を食べさせると起きるかと思いきや…頭も、口の中も食べ物が入ってくる準備が整わないうちに、食べさせてしまうとどうなってしまうのか?

 何が口の中に入ってきたのかわからない。

   ⇒ 分からないから、飲みこめない

   ⇒ 唾液も出ていないので、送り込めない。

   ⇒ 口の中にずっと食べ物をためこんでしまう。

   ⇒ そのうちに気管に食べ物が入ってしまう。

   ⇒ 誤嚥や窒息の危険!

健康な人たちが当たり前にやってしまっていることなので、先行期はないがしろにされてしまうことが多いのですが、実は、先行期も大切な段階だと思います。

昼間も眠ってしまっているような方や、認知症の方は特に気をつける必要があります。

 

対処法は?

それでは、先行期で問題のある方にはどう対応したらの良いでしょうか?

1 しっかり起こす

まず、昼間も眠ってしまっているような方は食事の前にしっかり起こすようにします。

昼間眠って、夜眠れない、昼夜逆転している方は睡眠薬などを上手に利用して夜眠り、昼間はできるだけベッドから起きるという生活リズムをつけるようにしましょう。

 

2 食べる前の準備をする

食べる姿勢を整えます。

ベッド上で起こして食べてもよいですが、座る姿勢が30分以上保つことができるのであれば、車いすに座るほうが良いと思います。

自分が食べる料理が目の前に見えるようにしましょう。

さらに、うがいで口の中をすすいだり、うがいが難しいようであれば口の中をさっと拭くと口の中の準備も整います。

3 食事介助の工夫

飲み込みやすくするために、ミキサー食やキザミ食を食べている方は、食べ物の原形がないので、何をこれから食べるのか、見てわかりにくいと思います。

食事介助をする場合には、一口ずつ、「これはお魚ですよ」「これは人参ですよ」と何を食べるのか、伝えてあげるとよいと思います。

食べる前に料理の香りを確認してもらうのもよい方法です。

 

まとめ

 

先行期で私たちが頭の中でやっていることは、無意識にやっていることなので、介護している家族はなかなか気づきにくいことなのですが、適切な対応をしないと、誤嚥や窒息につながってしまうこともあるとても大切な段階であることをご理解ください。

次は摂食・嚥下のメカニズム2 準備期についてです。

 

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 - 摂食・嚥下の基礎