摂食・嚥下のメカニズム1 先行期の問題点とその対処法

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食べ物や飲み物を外から口の中に取り込んで、のどを通り、食道を通って胃に送り込むまでの一連の動作を摂食・嚥下(せっしょく・えんげ)と言います。

この摂食・嚥下は次のように5段階に分けて考えることができます。

  1. 食べ物を認識する 先行期
  2. パクパク、もぐもぐ 準備期
  3. まとめて送り込む 口腔期
  4. ゴックンと飲み込む 咽頭期
  5. 胃まで運ぶ  食道期

このように5段階に分けて考えることで問題点がはっきりし、その問題点に対して対応することができます。

ここでは摂食・嚥下の第1段階先行期(せんこうき)に起こる問題点とその対処法についてお伝えします。

 

先行期(せんこうき)とは?

先行期は認知期とも呼ばれることがあります。

私たちは、口の中に食べ物が入る前に先立って頭の中でいろいろ考えています。

例えば、ここに美味しそうなプリンがあります。

そして、あなたはまさに今、このプリンを食べようとしています。

あなたの頭の中はどんなことを考えているでしょうか?

 

例えば、

  • おいしそうだ。食べたいな。 
  • 冷たいかな。甘いかな。
  • このプリンを食べるためにはこれくらいのスプーンがいるな。
  • これくらいの力でこうやってすくえば、ちょうどよい量がすくえるな。
  • 口はこれくらいの大きさ開けばいいな。

 

 

普段私たちが意識していないところで、頭の中では過去の記憶なども呼び起こしながらプリンを食べるための準備を始めます。

そして、実際に口の中には唾液が出始めて、いつでもプリン来い!という準備が整うのです。

これらのことは、無意識におこなわれているので、健康な人は気づきません。

しかし、先行期に問題が起こると次のようなことになります。

 

先行期に問題がある時

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昼間もウトウト、食事の時間だから無理やり起こしてみるものの、本人は眠たくて仕方がない。

食事を食べさせると起きるかと思いきや…頭も、口の中も食べ物が入ってくる準備が整わないうちに、食べさせてしまうとどうなってしまうのか?

 

 

何が口の中に入ってきたのかわからない。

   ⇒ 分からないから、飲みこめない

   ⇒ 唾液も出ていないので、送り込めない。

   ⇒ 口の中にずっと食べ物をためこんでしまう。

   ⇒ そのうちに気管に食べ物が入ってしまう。

   ⇒ ゴホゴホっとむせる

   ⇒ 誤嚥や窒息の危険!

 

 

 

 

健康な人たちが当たり前にやってしまっていることなので、先行期はないがしろにされてしまうことが多いのですが、実は、先行期も大切な段階だと思います。

昼間も眠ってしまっているような方や、認知症の方は特に気をつける必要があります。

 

対処法は?

それでは、先行期で問題のある方にはどう対応したらの良いでしょうか?

1 しっかり起こす

まず、昼間も眠ってしまっているような方は食事の前にしっかり起こすようにします。

昼間眠って、夜眠れない、昼夜逆転している方は、昼間はできるだけ起きて、ベッドから離れるという生活リズムをつけるようにしましょう。

それでも難しい場合は、医師に相談して睡眠薬などの力を一時的に借りるのも一つの方法です。

 

2 食べる前の準備をする

食べる姿勢を整えます。

ベッド上で起こして食べてもよいですが、座る姿勢が30分以上保つことができるのであれば、車いすに座るほうが良いと思います。

自分が食べる料理が目の前に見えるようにしましょう。

さらに、うがいで口の中をすすいだり、うがいが難しいようであれば口の中をさっと拭くなど、マウスケアをすると口の中の準備も整います。

3 食事介助の工夫

飲み込みやすくするために、ミキサー食やキザミ食を食べている方は、食べ物の原形がないので、何をこれから食べるのか、見てわかりにくいと思います。

食事介助をする場合には、一口ずつ、「これはお魚ですよ」「これは人参ですよ」と何を食べるのか、伝えてあげるとよいと思います。

食べる前に料理の香りを確認してもらうのもよい方法です。

 

その他食事介助のコツについてはこちらの記事もご参照ください。

 

まとめ

摂食・嚥下(せっしょく・えんげ)の第1段階、先行期とは、これから食べようとしているものを認識して、それを食べるための準備を頭の中で行う過程です。

先行期で私たちが頭の中でやっていることは、無意識にやっていることなので、介護している家族はなかなか気づきにくいことなのですが、適切な対応をしないと、誤嚥や窒息につながってしまうこともあるとても大切な段階です。

次の記事も続けてご覧ください。

 

摂食・嚥下障害についてさらに知りたい方は、こちらの記事を合わせてご覧ください。

 

 

 

 
 
     
 

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