摂食嚥下のメカニズム3 咽頭期と食道期の問題点とその対処法

      2018/01/04

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食べ物や飲み物を外から口の中に取り込んで、のどを通り、食道を通って胃に送りこむまでの一連の動作を、摂食・嚥下(せっしょく・えんげ)と言います。

摂食・嚥下は次のように5段階に分けて考えることができます。

  1. 食べ物を認識する 先行期
  2. パクパク、もぐもぐ 準備期
  3. まとめて送り込む 口腔期
  4. ゴックンと飲みこむ 咽頭期
  5. 胃まで運ぶ 食道期

この記事では第4段階の咽頭期と第5段階の食道期で起こりうる問題点とその対処法をお伝えします。

先行期についてはこちらの記事をご覧ください。

 

準備期・口腔期についてはこちらの記事をご覧ください。

 

 

咽頭期とは

先行期 → 準備期 → 口腔期を通って、のど(咽頭)までやってきた食塊(食べ物のまとまり)をゴックンと一瞬で食道に送り込む段階です。

のどの奥はどうなっているのか?

体の中は、息の道である気道と食べ物が通過する食道が平行して走っています。

気道は腹側、食道は背中側になります。

食べているとき以外は、常に気道が開いていて、食道が閉じています。

のどに食塊がやってきた時だけ、気道が塞がり、食道が開きます。

ゴックンのメカニズム

のど元まで食塊が到達すると、

  1. 口蓋垂が上がり鼻腔をふさぎます
  2. のどぼとけが上がります
  3. 舌の奥がのどの壁に向かって押しつけられます
  4. 食道の入り口が開きます
  5. 喉頭蓋が閉じ気道がふさがれます
  6. 食べ物が一気に食道に流れ込みます。

これがゴックンのメカニズムです。

この間わずかに0.8秒

一瞬のうちに、のどの奥ではこのような動きをしています。

専門用語では「嚥下反射」といいます。

 

嚥下反射とは

例えば、沸騰しているやかんに間違って手を触れてしまったとき、自動的に手をやかんから離します。

この時、「熱い」という刺激に対して、脳へ情報が入る前に自動的に手を離すという運動が起こります。

このようなメカニズムを反射と読んでいます。

ゴックンと飲みこむことも、反射のメカニズムを利用しています。

のどに食べ物がやってきたという刺激で、自動的にゴックンが起こる仕組みになっているのです。

 

咽頭期の問題点

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嚥下反射の問題

脳血管疾患の後遺症で嚥下反射が全く起こらなくなってしまったり、食べ物がのどまで来ても、タイミングよく嚥下反射が起こらなかったりすることがあります。

この時、本人は飲み込みたくても飲みこめません。

健康な時には自動的にやっていたことなので、どこをどうすれば、飲み込めるのかが分からないのです。

口唇、舌、口蓋垂(のどちんこ)の問題

飲み込む時には口をしっかり閉じて、舌の中央部がぐっと持ち上がり、のどちんこも挙上して、食べ物を残らず食道へ押し込むのですが、脳血管疾患の後遺症でこれらに麻痺が出ると、押し込む力が弱くなってしまい、食べ物を全部押し込むことができず、のどに残ってしまうことがあります。

それが気道に入ってしまうとむせたり誤嚥することになります。

試しに、「あ」の口の形で唾を飲み込んでみてください。

できる方いらっしゃいますか?

舌を動かさずに唾を飲み込んでみてください。

健康な方は難しいと思います。

舌や唇も飲みこむためには、とても重要な役割を果たしているのです。

 

 

咽頭期に問題がある場合の対処法

嚥下反射が全く起こらない場合は、現段階では、食べることは難しいと思います。

状況に応じて、他の栄養摂取の手段を考えなくてはなりません。

嚥下反射がタイミングよく起こらない場合は、大抵、水分を飲む時にはむせてしまうことが多いと思うので、水分には市販のとろみ剤を使ってとろみをつけると、飲みやすくなると思います。

食事も、ゼリー状のものや、ムース状、つるんとしたのどごしのものが飲み込みやすいのではないかと思います。

また、食事の味をすこし濃くしたり、冷たく(熱く)することも有効です。

嚥下反射は刺激に対する反応なので、できるだけ強い刺激を入れると反射が起こりやすくなります。

認知症の方は、その方の好きな味のものであると嚥下しやすいということはよくあります。

 

食道期とは

食べ物や飲み物が食道に入ってきて、胃に運ばれる段階です。

食べ物は蠕動運動と腹腔内圧と重力によって胃まで到達します。

 

食道期の問題点と対処法

食べたものが逆流してのどに戻り、それが気管に入って誤嚥する危険があります。

逆流を防ぐには、食後少なくとも30分間は座っている(横にならない)ようにする必要があります。

 

まとめ

摂食・嚥下の5段階のうち、先行期、準備期、口腔期に続く、咽頭期、食道期についてまとめました。

  • 咽頭期でのどまでやってきた食べ物を一気に食道へ押し込みます。
  • ゴックンは嚥下反射といい、刺激(食べ物)に対する反応(ゴックン)として起こります。
  • 咽頭期に問題がある場合は、口の体操や食事形態の工夫、水分にとろみをつけるなどの対応をします。

 

先行期についてはこちらの記事をご覧ください。

 

準備期・口腔期についてはこちらの記事をご覧ください。

 

 

摂食・嚥下障害についてさらに知りたい方は、こちらの記事を合わせてご覧ください。

 

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