摂食嚥下のメカニズム3 咽頭期と食道期の問題点とその対処法

      2017/08/30

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摂食・嚥下は5段階に分けて考えることができます。

  1. 先行期
  2. 準備期
  3. 口腔期
  4. 咽頭期
  5. 食道期

ここでは4の咽頭期と5の食道期について説明します。

 

咽頭期とは

先行期 → 準備期 → 口腔期を通って、のど(咽頭)までやってきた食塊を一瞬で食道に送り込む段階です。

この段階は0.3~0.5秒で行われます。

体の中は、息の道である気道と食べ物が通過する食道が平行して走っています。

気道は腹側、食道は背中側になります。

食べているとき以外は、常に気道が開いていて、食道が閉じています。

のどに食塊がやってきた時だけ、気道が塞がり、食道が開きます。

これがゴックンのメカニズムです。

専門用語では「嚥下反射」といいます。

 

嚥下反射

例えば、沸騰しているやかんに間違って手を触れてしまったとき、自動的に手をやかんから離します。

ゴックンはその反射とメカニズムが同じです。

 のどに食塊がやってきた → ゴックン

(アツアツのやかんに手を触れた → 手を離した)

のどに食べ物がやってきたという刺激で、自動的にゴックンが起こる仕組みになっているのです。

 

問題点

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嚥下反射の問題

脳血管疾患の後遺症で嚥下反射が全く起こらなくなってしまったり、食べ物がのどまで来ても、タイミングよく嚥下反射が起こらなかったりすることがあります。

この時、本人は飲み込みたくても飲みこめません。

健康な時には自動的にやっていたことなので、どこをどうすれば、飲み込めるのかが分からないのです。

口唇、舌、口蓋垂(のどちんこ)の問題

飲み込む時には口をしっかり閉じて、舌の中央部がぐっと持ち上がり、のどちんこも挙上して、食べ物を残らず食道へ押し込むのですが、脳血管疾患の後遺症でこれらに麻痺が出ると、押し込む力が弱くなってしまい、食べ物を全部押し込むことができず、のどに残ってしまうことがあります。

それが気道に入ってしまうとむせたり誤嚥することになります。

試しに、「あ」の口の形で唾を飲み込んでみてください。

できる方いらっしゃいますか?

舌を動かさずに唾を飲み込んでみてください。

健康な方は難しいと思います。

舌や唇も飲みこむためには、とても重要な役割を果たしているのです。

 

 

対処法

嚥下反射が全く起こらない場合は、現段階では、食べることは難しいと思います。

嚥下反射がタイミングよく起こらない場合は、大抵、水分を飲む時にはむせてしまうことが多いと思うので、水分には市販のとろみ剤を使ってとろみをつけると、飲みやすくなると思います。

食事も、ゼリー状のものや、ムース状、つるんとしたのどごしのものが飲み込みやすいのではないかと思います。

また、食事の味をすこし濃くしたり、冷たく(熱く)することも有効です。

嚥下反射は刺激に対する反応なので、できるだけはっきりとした刺激を入れると反射が起こりやすくなります。

認知症の方は、その方の好きな味のものであると嚥下しやすいということはよくあります。

 

食道期とは

食べ物や飲み物が食道に入ってきて、胃に運ばれる段階です。

 

食道期の問題点と対処法

食べたものが逆流してのどに戻り、それが気管に入って誤嚥する危険があります。

逆流を防ぐには、食後少なくとも30分間は座っている(横にならない)ようにする必要があります。

 

まとめ

3回にわたって、摂食・嚥下の5段階のメカニズムについて説明しました。

これがしっかり頭に入っていると、嚥下障害の方の食事場面を観察するときにもどこに問題点があるのか、発見しやすいですし、その問題点に合わせて対応することもできます。

もし、入院されているのであれば、看護師や言語聴覚士にたずねて見られてもよいかもしれませんね。

 

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 - 摂食・嚥下の基礎