もちをのどに詰まらせないために~安全な食べ方と予防法

2018年もめでたく始まりましたが、悲しいニュースも入ってきています。

毎年の事ですが、餅をのどに詰まらせて救急搬送される方が少なからずいらっしゃいます。

 東京消防庁は1日夜、元日に餅をのどに詰まらせ、15人が救急搬送されたと発表した。うち2人が死亡し、7人が心肺停止や意識不明の重体という。

 同庁によると、管内で1日午後9時までに自宅で雑煮を食べるなどした55~90歳の男女15人が病院に運ばれた。80代が最も多い7人で、70代が4人、50代が2人、90代が2人だった。

引用元:朝日新聞デジタル

お正月早々、餅を詰まらせて亡くなられるというのは、家族にとってもショックなことでしょう。

飲みこみの専門家としても、やるせない気持ちになります。

この記事では、なぜ餅をのどに詰まらせてしまう事故が絶えないのか、その事故を予防するために安全に餅を食べる方法、そしてのどのトレーニングについて紹介します。

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なぜ餅を詰まらせる事故が絶えないのか?

餅そのものが食べにくい、飲みこみにくい食材であるということが大きな要因だと思いますが、それに加えて、私つばめが思うには次の2つの理由があるのではないか、と思います。

お正月だから

中には好きで、一年中お餅を食べている人もいるかもしれませんが、やはり多くの方にとってはお正月やお祭りなど、特別な日の食べ物ではないかと思います。

ということは、1年に食べる回数が限られているということです。

あまり、食べることに慣れていないものというのが一つ原因として考えられるのではないかと思います。

 

高齢者だから

明らかな摂食・嚥下障害ではなくても、老化によって1年1年、飲みこみの力は衰えていきます。

朝日新聞からの引用にあるように、一番多い年代が80歳代。

毎年、毎年お正月に食べてきているので、今年も同じように食べられると信じて疑わないでしょうし、高齢者の場合、注意を促しても聞く耳を持たないかもしれません。

ましてや、お餅が大好物であれば、なおさら無理にでも食べたいと言われるでしょう。

若い時と同じようにお餅が食べられるという意識が、過信を生み、ひょっとしたことで餅を詰まらせることになるのではないでしょうか。

家族も、毎年食べることができていると思って注意をしないこともあるかもしれません。

 

餅を詰まらせないために

専門家が言わなければならないこと

餅をのどに詰まらせないようにできるだけ安全に食べる方法をお伝えする前に言わなければならないことがあります。

  • 脳卒中になったことのある方
  • 摂食・嚥下障害のある方
  • 日頃、食事をしている時や、食後に咳が出る方

ここに当てはまる方は言語聴覚士としては、お餅は絶対に食べてはいけませんと言わなければなりません。

餅は、ネバネバしており、口の中やのどにひっつきやすく、口の中でまとめてゴックンと飲みこむことが非常に難しい食材です。

飲みこむことが難しいだけではなく、万が一気道に入りかかった場合でも、粘りついてしまって、なかなか出すことができません。

そうしているうちに、餅の重みでどんどん気道に入り込んでしまいます。

 

現実に、毎年餅をのどに詰まらせて亡くなられている方がいるのです。

飲みこみの専門家としては、簡単に、こうすれば食べられますよ、とは言えません。

それは無責任になるからです。

 

でも、お年寄りは、お餅が好きですよね。

お正月でみんなと一緒にお餅が食べたいですよね。

 

その気持ちはわかります。

 

 

  • 脳卒中になったことのある方
  • 摂食・嚥下障害のある方
  • 日頃、食事をしている時や、食後に咳が出る方

ここに当てはまらない場合でも、お餅を食べるということは、命がけであるということを肝に銘じてください。

大げさに思いますか?

決して冗談ではありません。

これからお伝えする方法でも、100%安全ではありません。

飲みこむことがとても難しい食材であることを念頭におき、万が一餅をのどに詰まらせてしまっても自己責任でお願いします。

 

餅を出来るだけ安全に食べるための方法

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食べる前に口の中を十分に湿らす。

   …口が乾いているとさらに飲みこみにくくなります。

 

餅は小さめの一口大に切って、一口飲みこんでから次の一口を食べる

   …小さく切っても、次々と食べていては一度にたくさん食べるのと同じことです。

 

餅は焼くより、煮て食べる

   …餅を焼くと食感がパリパリ、カリカリのものとネバネバのものが混ざり、さらに飲みこみにくくなります。

 

食べることに集中できる環境で食べる

   …テレビを見ながら、などながら食べはしないようにします。

 

食べているときに話しかけない

   …ひょっとした拍子にむせることを防ぎます。

 

おすすめの食べ方

オススメの食べかたは、お雑煮おしるこです。

水分も一緒に取れますし、汁でお餅も柔らかくなります。

きなこもちや、磯部焼き(お醤油をつけて海苔でまいたもの)はやめておいたほうがよいでしょう。

きなこの粉はむせやすいですし、海苔はのどに張り付きやすいので、危険です。

 

 

 

 

万が一、餅を詰まらせたら

絶対あってはならないことですが、万が一餅を詰まらせた場合のこともお伝えしておきたいと思います。

万が一のことがあった時に備えて、餅を食べる時には、必ずそばに誰かがいる状態であることが望ましいです。

まずは、水などを飲ませないようにしてください。

健常者がむせると、水を飲んで落ち着かせるかもしれませんが、餅など詰まらせたときに水分を飲ませてしまうと、余計に奥に入り込んでしまうことがあります。

声が出せない、顔が真っ赤になるなど、詰まらせたことが明らかな状態であれば、まずは119番通報して救急要請をします。

救急車を待っている間に出来ることとして、次の2つの方法があります。

 

  • 腹部突き上げ法(ハイムリッヒ法)
  • 背部叩打法

この2つの方法を使って、咳を促し吐き出させます。

こちらの動画で方法をご確認ください。

 

 

来年もお餅が食べたいのなら

この記事の冒頭で取り上げた朝日新聞の記事には、救急搬送された15人のうち2人は50代と書かれています。

この2人が、どのような病歴がある方なのかは情報がないので分かりませんが、もし健常者だったとしたら、餅をのどに詰まらせる可能性があるのは、高齢者だけではないのかもしれません。

のどの老化は40代から始まっていると言われます。

こちらの記事には、のどの老化についてとそれを防ぐトレーニング方法について記載してあります。

来年のお正月もおいしくお餅を頂くために、今日から始めてみたらいかがでしょうか?

 

 

まとめ

お餅をのどに詰まらせる事故が絶えない原因は次の3つだと考えます。

  • お餅そのものが飲みこみにくい食材である
  • お餅が特別な日の食べ物で、普段から食べ慣れていない食べ物である
  • 飲みこみの力が衰えていることに気が付かない高齢者が多い

☆飲みこみの専門家である言語聴覚士の立場では、

  • 脳卒中になったことのある方
  • 摂食・嚥下障害のある方
  • 日頃、食事をしている時や、食後に咳が出る方

これらに当てはまる方はお餅を絶対に食べてはいけませんと言わざるを得ません。

お餅を食べることは、命がけであるということを念頭におきましょう。

☆食べやすいお餅の食べ方は、お雑煮おしるこです。

☆万が一、詰まらせた場合は119番通報し、背部叩打法、腹部突き上げ法などで咳をうながし吐き出させます。

☆来年もおいしくお餅を頂くために、のどのトレーニングをしましょう。

 

 

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