口から食べられない時、鼻からチューブを入れて栄養を摂るってどういうこと?

      2017/11/26

sponsored link

高齢者の脳卒中後や認知症の末期の嚥下障害で、口から食べられないと診断され、今後どうするかを考えるにあたって、医師から大抵次の4つの選択肢があげられるのではないかと思います。

  • 鼻からチューブを入れる
  • 胃ろうをつくる
  • 点滴で高カロリーの輸液を入れる
  • 何もしない(必要最低限の点滴だけする)

これらの選択肢の中で鼻からチューブを入れて栄養を摂る方法について、詳しく説明します。

こちらの記事も合わせてお読みください

胃ろうについて

点滴で栄養を摂ることについて

 

「鼻からチューブ」は様々な呼び方がある

医師をはじめ医療スタッフは、患者さんや家族には難しい専門用語を使わないようにできるだけわかりやすく言い換えてお話しするように心がけています。

なので、「鼻からチューブを入れて栄養を摂る」などという言い方で説明されると思います。

鼻からチューブを入れることについては、経鼻経管栄養、経鼻胃管、NGチューブ、マーゲンチューブなどと呼ばれています。

このブログでは「経鼻経管栄養」という呼び方で統一します。

できるだけ分かりやすく説明しますが、もっと専門的なことを調べたい場合はこのような言葉で検索をされるとよいかもしれません。

なお、病気によっては胃の内容物を排出(ドレナージ)させるために「鼻からチューブ」を入れる場合もあります。

このブログでは、話がそれてしまうため、ドレナージについては割愛します。

 

鼻からチューブ=経鼻経管栄養とはどういうもの?

sponsored link

 

鼻からのど、食道を通って胃までチューブを通し、栄養剤を注入して栄養を摂る方法のことを言います。

口から食べられないほとんどの人は、利用することができる方法です。

チューブは病室で看護師が挿入することができ、胃ろうのように手術は必要ありませんし、体に穴を開ける必要もありません。

1日2回~3回、栄養剤を滴下して、少しずつ胃に流し込みます。

胃や腸の消化機能を使って、しっかり栄養を摂ることができます。

 

経鼻経管栄養のデメリット

経鼻経管栄養のデメリットは「常に鼻からのどにかけてチューブが入っている」ことに尽きます。

そのせいで、

  • 見た目がよくない
  • 自分で抜いてしまう
  • 嚥下リハビリがやりにくい
  • 誤嚥性肺炎を起こす可能性がある などの影響が出ます。

これら一つ一つを説明しましょう。

 

見た目がよくない

常に鼻からチューブが出て、顔にテープで固定されている状態です。

栄養を入れている姿もあまり見た目によいものではないのは事実だと思います。

 

自分で抜いてしまう

自分の顔にチューブが常にくっついていたら、とてもうっとうしいことは想像できます。

認知症の方だと、なぜ自分がチューブを入れられているのかが理解できず、抜いてしまうこともよくあります。

抜いてしまったり、チューブを触っていた拍子に誤って気管の方にチューブが入ってしまったりすれば、命に危険が及ぶこともあります。

そこで、抜いてしまわないように手にミトンをはめたり、手をベッドの柵に固定したりする「抑制」が行われることもあります。

自由に手が動かせない状態は患者さんにとっては屈辱的な感じを受けるでしょうし、相当なストレスとなります。

患者さんの安全を守るためとはいえ、抑制については人間的に考えさせられるものがあります。

 

嚥下リハビリがやりにくい

口から食べられないから、チューブを入れて栄養を摂っているのですが、そのチューブが常にのどを通っているので、さらに飲みこみにくくなってしまいます。

チューブがあることによって飲みこむ練習そのものがしにくくなり、嚥下リハビリがやりにくくなります。

また、飲み込む運動は「食べ物や飲み物がのどまで来た」という刺激で起こる反射運動ですが、常にチューブがのどにある状態が続いてしまうと、その刺激に対する反応が鈍感になってしまい、嚥下反射が起こりにくくなる可能性もあります。

 

誤嚥性肺炎を起こす可能性がある

チューブが鼻、のどの粘膜に常に触れていることで、鼻水や痰などの分泌物が増えます。

その分泌物に雑菌がつき、唾液といっしょに誤嚥してしまうと、誤嚥性肺炎を誘発してしまいます。

誤嚥性肺炎についてはこちらの記事も合わせてお読みください

 

 

施設の入所が難しい場合がある

チューブの入れ替え、挿入などの看護師による手技が必要となります。

胃ろうの方を受け入れている施設でも、経鼻経管栄養の方は受け入れない施設も中にはあります。

在宅での介護が難しく、施設の入所を考えている場合は、希望する施設が経鼻経管栄養でも受け入れ可能なのかどうか確認する必要があります。

 

まとめ~どういう場合に経鼻経管栄養を使ったらよいのか?

デメリットが多い経鼻経管栄養ですが、次の場合には適応になるのではないかと思います。

  • 胃の部分切除などで、胃ろうを作ることが難しい場合
  • 胃ろうを作るまでの間にしっかり栄養を摂らせたい場合

2週間から1か月くらいの短期間で口から食べることができると予想できる場合は、経鼻経管栄養のメリットを生かせるのではないかと思います。

正直なところ、現場で実際に患者さんを見ていると、鼻からチューブを入れられている姿や、体を抑制されている状態というのは人間としてあるべき姿ではないと感じます。

1ケ月以上にわたって、経腸栄養で栄養を摂る必要があるのなら胃ろうの方がよいと感じています。

もちろん、患者さんそれぞれに状況は違います。

主治医やその他の医療スタッフにも相談して、その方に一番あった方法を選択するのが一番です。

 

sponsored link

 

 


 - 未分類 , , , ,