
自分で脳トレをする方法として、スマホやタブレット端末に脳トレアプリをダウンロードする方法があります。
脳トレアプリも様々なものが多くあって、どれがいいのか迷ってしまいませんか?
ここでは実際に、私つばめが1か月間お試しで使ってみたLumosity ルモシティーというアプリをご紹介したいと思います。
Lumosityというアプリの中身や、実際に使ってみてどうだったのか、言語聴覚士の目線でゲームの質はどうなのか、検証してみました。
もくじ
Lumosity ルモシティとは
2005年にアメリカで開発された脳トレプログラム・アプリです。
世界中100名を超える研究者、専門家とゲームデザイナーが共同で開発した認知力ゲームが20種類以上用意されています。
ゲームの種類
ゲームはスピード、記憶力、注意力、柔軟性、問題解決能力の5つのカテゴリーがあります。
無料版ではその人のレベルに合わせて、20種類以上ゲームのうち3つがランダムに選択されます。
その日の3つのゲームは何度もチャレンジできますが、他のゲームはできません。
有料版になると、いつでも全部のゲームにアクセスすることができます。
結果の表示
ゲームの結果は、Lumosity パフォーマンス指数(LPI)として表示されます。
ちなみにつばめの4週間のゲームのスコアは次のようになります。
これでは、いいのか、悪いのかよく分かりませんが、4週間で少しずつLPIは上昇しているようです。
5つのカテゴリーのなかでは、スピードと記憶力がやや弱いでしょうか。
自分と同年代の人たちとの比較やさらにLPIの詳細なデータを得るには、有料版に登録する必要があります。
ルモシティーが訴えられた!
2016年1月、アメリカの脳トレサイト「Lumocsity(ルモシティー)」が 200万ドル(約2億円)の賠償金を支払うように命じられました。
それはなぜかというと、
- 学校、仕事、スポーツなどでのパフォーマンスが向上する
- 年齢に伴う記憶力や認知能力の低下や認知症、アルツハイマー病を遅らせたり、防ぐことができる
- ターナー症候群や、PTSD、ADHD、外傷性脳挫傷(TBI)、化学療法の副作用による認知力低下を防ぐ
というような宣伝をしていたのですが、これらに対して、科学的な根拠を持っていないということで、訴えられてしまったのです。
参考資料:Lumosity pays $2 million to FTC to settle bogus “Brain Training” claims
それでもルモシティー をおすすめする5つの訳
科学的根拠もなく、過大広告を打ってしまったルモシティーですが、言語聴覚士の目線でみてゲームの質は非常に高いと感じます。
アプリの特性を上手く活かした作りになっていると思います。
ここでは5つのオススメポイントをご紹介します。
自分のレベルに合わせた設定をアプリがしてくれる
自分のレベルがどの程度なのか、それに合わせて課題を選ぶというのは自分で行うことがとても難しいのですが、日々のゲーム結果から自動的にレベル設定をしてくれるのは、アプリならではだと思います。
毎日違う課題ができる
同じゲームばかりではなく、日々ランダムに選択された3つのゲームを行うというのは、脳への刺激としてはとても良い方法のように感じます。
飽きることがありません。
また、自分でゲームを選択すると、好きなゲームばかり行ってしまい、苦手なゲームには挑戦しないことになりがちですが、アプリ側でランダムに選択されるので、偏りが少なくなるのではないかと思います。
即時に回答が分かる
言語聴覚士がリハビリで行う課題として「ストループテスト」という課題があります。
例えば
と書かれているものを、文字ではなくて色で答えていく課題です。
「あか、くろ、きいろ、あお」と答えたら正解です。
これと同種の課題がルモシティーの中に「カラーマッチ(柔軟性)」という名前であります。
この「ストループテスト」なのですが、実際に課題をやるほうも頭を使いますが、課題をさせる方も同じように瞬時に正解か不正解かを見極めなくてはいけないので、言語聴覚士にとってはとても神経を使う課題でもあります。
これがルモシティーだと、瞬時に、正しく判断してくれるので、とても便利だと感じます。
ゲームそのものがとても考えられていて、面白い、楽しい
私が一番気に入っているゲームがこちら。
Cafe Lumosity (注意力)
オーダーに沿ってコーヒーのトッピングを選択しコーヒーを作るゲームなのですが、これがとっても面白いです。
「オーダーをみる」「トッピングを選ぶ」「コーヒーを入れる」「出来上がりボタンを押す」という流れを次々に行わなくてはならず、段取りを考えたり、すべてのコーヒーに注意を配らなくてはなりません。
さらにレベルが進むと、コーヒーマシンの数が増えたり、トッピングの数も増えるだけではなく、画面の切り替えの操作もあるためどんどん難しくなっていきます。
ゲームの中でコーヒーを入れるバリスタ気分を味わえ、ついつい夢中になってしまいます。
おしゃれである
上で紹介したCafe Lumosityもそうですが、全体的におしゃれで、高齢者だけではなく若者、子どもも夢中になれるデザインになっています。
またデザインだけではなく、BGMも凝っていて、例えば「池の鯉(注意力)」というゲームでは、日本庭園をイメージしているのか琴の音楽で所々鹿威し(ししおどし)の音が入ってとても癒されます。
脳トレというと、パズルや計算などちょっと味気ないデザインのものが多いのですが、ルモシティーは本当にゲームっぽさが強い脳トレアプリのように感じます。
こんなひとにオススメ
無料版で一日3つゲームをするのに、だいたい10分もかからない程度です。
忙しい人でも、通勤時間の合間やちょっとしたスキマ時間にできるのではないかと思います。
続けてみて、面白いと感じたり、明日もゲームをやるのが楽しみと思えるのなら続ける価値はあるのではないかと思います。
私は、毎日今日のゲームはなんだろうと、とても楽しみにやっています。
なので1か月間、休みなく続いてしまっています。
まとめ
実際に1か月間試しにゲームを続けていて、記憶力がよくなった、とか、何かいい効果を感じている、という実感は正直なところはありません。
Lumosityパフォーマンス指数(LPI)が右肩上がりに良くなっているのは、私の認知能力が上がったというよりは、ゲームに慣れて、ゲームのパフォーマンスが上達したに過ぎないのかもしれません。
でも、何をやっても脳には刺激になります。
記憶力低下や認知症を防げるという科学的根拠は今のところはないのかもしれませんが、ユーザーが増えて、年月を重ねていくことでいろいろな結果が出てくるのではないかと思います。
私個人としての考えは、脳トレは認知症予防の1つの方法に過ぎない、ということ。
脳トレだけで認知症を予防できるわけではなく、日頃の食事や睡眠、運動の習慣などにも気を配ることも重要だと思っています。
その上で、ルモシティーのような脳トレアプリを利用していくことは、脳のトレーニングや、認知症予防には効果があるのではないかと考えます。
認知症について書かれた記事はこちらにまとめました。