パーキンソン病を分かりやすく説明。症状、治療法。摂食・嚥下障害にも注意

つばめは言語聴覚士として、飲みこみのリハビリの仕事をしていますが、その中でパーキンソン病の患者さんにもよく出会います。

パーキンソン病って名前は聞いたことがあるかもしれません。

著名人の中にもパーキンソン病を患っている人もいます。

映画「バック・トゥー・ザ・フューチャー」シリーズでおなじみのマイケル・J・フォックスも30歳の時にパーキンソン病を発症しています。

この記事ではこのパーキンソン病について、分かりやすく症状や治療法などを説明したいと思います。

また摂食・嚥下障害になる方も非常に多いので、パーキンソン病の方が安全に食事をするために注意して頂きたいことも合わせてお伝えします。

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さらに若い世代でも発症する場合がありますし、60過ぎに発症する場合もあります。
若年性の場合は遺伝性も考えられますが、ほとんどの場合は関与しないようです。
 

 パーキンソン病の原因

中脳の黒質という部分にある神経細胞の変性が原因です。

しかし、なぜ変性するのかはまだわかっていません。

この神経細胞は神経伝達物質ドーパミンをつくるのでドーパミン神経と呼ばれています。

 

上の図にあるように、ドーパミン細胞は、中脳の黒質という部分を起点とし、その足を大脳の中央部にある大脳基底核という場所へ伸ばします。

大脳基底核で、神経伝達物質ドーパミンを作り、次の細胞へ情報を伝達します。

 
大脳基底核の役割
脳神経細胞の中継点、つまり リレーでいうとバトンを渡すところです。
大脳基底核には、目で見た情報、耳で聞いた情報をはじめ、脳の各部位から様々な情報が集まってきます。
そして、目的の運動がスムーズに、正しくできるようにコントロールしています。
 

 
パーキンソン病でドーパミン細胞が変性し、作られるドーパミンが減って、情報伝達が滞ることによって、次のような症状が出てきます。

 

 

パーキンソン病の症状

パーキンソン病ではさまざまな症状があらわれますが、大きく次の3つに分けることができます。
 
運動の症状
振戦(しんせん)…何もしていない時に手がふるえる、丸薬を丸めるような動き
筋固縮(きんこしゅく)…筋肉の緊張が高くなる
無動症…動作がゆっくりとなる 無表情
姿勢反射障害…体のバランスが悪くなる
自律神経症状
・便秘
・立ちくらみ(起立性低血圧)
・排尿障害
・体温調節が難しい
・汗をかきやすい  
など
精神症状
・抑うつ
・意欲の低下
・幻覚・妄想
・認知機能低下
 
 

ホーン・ヤールの重症度分類

パーキンソン病はゆっくりと進行していく病気です。

進行の速さは患者さんによります。

パーキンソン病の進行の度合いは、ホーン・ヤールの重症度分類で判断します。

症状は片側の手足のみ

 

日常生活は自立 

症状が両側の手足
歩行障害、姿勢反射障害
両側手足に強い症状

 

介護が必要

車椅子の生活 寝たきり

 

パーキンソン病の治療法

パーキンソン病を直す治療法は現在でも見つかっていませんが、薬物療法や外科的治療を受けることで、パーキンソン病と上手く付き合いながら自分らしく生きることは可能となっています。

薬物療法

ドーパミン神経が変性してしまうことによって減ってしまったドーパミンを薬で補う方法です。

薬の名前を取ってLドーパ(レボドーパ、レボドパ)療法と呼ばれることもあります。

薬の量を上手く調整することで、パーキンソン病の症状を抑え、日常生活がしやすくなります。

しかし、どんな薬にも副作用があります。

薬の量が多すぎるとジスキネジアという動かそうと思っていないのに手などが動いてしまう症状が出ることがあります。

また、薬を長期間飲み続けていると、薬が効いている時と効いていない時がまるでスイッチのON/OFFのように症状が変わるオン・オフ現象があらわれることがあります。

  

外科的治療

DBS(脳深部刺激療法)という外科的治療が2000年に保険適用されました。

この手術は心臓のペースメーカーと同様に、胸部にパルス発生器を、脳内に電極を埋め込んで神経細胞に電気信号を送ることによって、脳から手足に伝わる電気信号を調整します。

この手術の適応となるのは、Lドーパの効果がある方です。高齢者や認知症のある方は効果が期待できないようです。

 
 

 

パーキンソン病の摂食・嚥下障害

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パーキンソン病の約半分の方は摂食・嚥下障害があるというデータがあります。

また、パーキンソン病の方は、誤嚥性肺炎で亡くなる方が多いようです。

できるだけ安全に食べて頂くために、特に注意して頂きたいことは次の4つです。

食事の形態を工夫する

手足の動かしにくさだけではなく、口唇や舌も動かしにくくなります。

また、食べることがゆっくりになります。

食材によっては食べにくくなるものもあるので、食事の形態に工夫が必要です。

水分については、とろみ剤を利用するとむせにくくなります。

 
 
食材別の工夫の仕方についてはこちらの記事にまとめましたのでご参照ください。 
 

前かがみ姿勢による影響

パーキンソン病の方の特徴として、どうしても姿勢が前かがみになってしまいます。

ぞうすると、胸郭が縮み、そのまま固まってしまう可能性があります。

胸郭の動く範囲が狭くなり、呼吸も浅くなってしまいます。

そして万が一、むせた時、力強い咳ができなくなってしまいます。

 
 

口腔内乾燥を防ぐ

Lドーパの薬の副作用で、口の中の乾燥を生じてしまいます。

口の中が渇いてしまうと、食べ物も飲みこみづらくなってしまいますし、お口の中の清潔を保つことも難しくなります。

口の中の乾燥がひどい場合には、保湿剤を利用することも一つの方法です。

 
口の中の感想については、こちらの記事にまとめました。 
   

ON/OFF現象がある場合

Lドーパを長く服用し続けると、薬が効くときと、効かない時がはっきりするようになるON/OFF現象が起こることがあります。

OFFのときには、まさにスイッチが切れてしまったかのように、全く動くことがなく、反応もなくなってしまいます。

もし、食事のときにOFFの状態になってしまっていたら、無理に食事を取ることのないようにしてください。

口の中に食べ物を入れたまま、飲みこめないと、窒息・誤嚥につながってしまいます。

時間をずらして、しっかり反応があるときに食事をしてください。

 
誤嚥についてはこちらの記事をご参照ください。
 

リハビリの方法

パーキンソン病の方にやって頂けそうなお口の体操の動画をご紹介します。

全体的にゆっくりなので、動きをしっかり意識しながらやると効果的です。

 
深呼吸 ゆっくり息を吸って、少し止め、口からふーっと吐きます
首の運動 左向き → 前 → 右向き → 前
左に傾ける → 戻す → 右に傾ける → 戻す
下を向く 戻す 上を向く 戻す
左回し 右回し
肩の運動 肩をゆっくり挙げて、すとんと下ろす
腕の運動 前回し、後ろ回し
頬の運藤 片方ずつ膨らませる 左 戻す 右 戻す
両方膨らませる 手を当ててつぶす
顔の体操
うー  いー  上を向いてイー
耳下腺マッサージ
頬に手をあてて前向きに回す 後ろ向きに回す
舌の運動
挺舌 ・ 左に出す 右に出す ・ 唇をぐるりとなめる
発音
ぱ・た・か・ら     ぱ・ん・だ・の・た・か・ら・も・の
  
 

まとめ

  • パーキンソン病はドーパミンが作られなくなり、運動の指令が届きにくくなることによって発症します。
  • パーキンソン症状に特徴的な運動の症状は、振戦、筋固縮、無動症、姿勢反射障害です。
  • パーキンソン病の治療にはLドーパ療法という薬物療法と外科的治療があります。
  • パーキンソン病の方は摂食・嚥下障害を併せ持つ方が多くいます。
  • 安全に口から食事を食べるためには、お口の体操などのリハビリも有効です。
 
 
冒頭で紹介したマイケル・J・フォックスさんは、現在56歳ですが、いまだ病気療養中です。
病がありながらも、俳優としての仕事をしたり、パーキンソンリサーチ財団を立ち上げるなどして、パーキンソン病と戦う人たちを勇気づけています。
彼は自叙伝も出されています。
もしあなたや、あなたの家族がパーキンソン病で辛い思いをしているのであれば、一度読んでみられてもよいかもしれません。
 

 
 
 
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