口から食べられなくなり、胃ろうをすべきか迷うときに考える2つの事

      2017/10/23

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高齢者認知症や嚥下障害で、口から食べられないと診断され、今後どうするのかを考えるにあたって、医師からは大抵次の4つの選択肢が挙げられると思います。

  • 胃ろうを造って栄養を摂る
  • 鼻チューブを入れて栄養を摂る
  • 高カロリーの点滴を入れる
  • 何もしない

このような場合、どう選択したらよいのか、悩み、迷われることと思います。

この記事ではその中の一つ、胃ろうをすべきか迷う時に考える2つのことをお伝えしていきたいと思います。

 

胃ろうとは

胃に穴を開けて、短い管を通し、その管から液体の栄養を注入することです。

胃ろうを作る手術のことを、経皮内視鏡的胃ろう増設術 (Percutaneous Endoscopic Gastrostomy)といい、医療現場ではPEG(ペグ)と呼ばれていることもあります。

 

確認するべき2つの事

嚥下の評価はきちんとされていますか?

「口から食べられない」から胃ろうを薦められているのだと思いますが、本当に「食べられない」のか、評価がされていますか?

その評価に納得していますか?

認知症だから、誤嚥性肺炎を繰り返しているから、という理由だけで胃ろうを薦められていませんか?

希望をすれば、言語聴覚士が嚥下の評価をする場面も見学できます。

私自身もそういうご希望を受け、見学して頂き、その方の嚥下の状態をご説明しています。

胃ろうを作るか作らないかを決める前に「口から食べる」ことが本当にできないのかどうかを確認することが大切です。

こちらの記事も合わせてお読みください。

 

 

本人の意思は?

食べたいのか、食べたくないのか、胃ろうを造るか、造らないか、この選択は本人の意思を尊重するべきだと思います。

どんなに高齢でも、寝たきりでも、認知症があっても、本人に意思決定ができる状態なのであれば、そうするべきだと思います。

しかし、重度の認知症などでは、本人の意思が分かりかねる場合がほとんどです。

お元気なころに終末期は「こうしてほしい」ということを聞いていたり、リビングウィルが残されているのであれば、それに従うべきだと思います。

リビングウィルについてはこちらの記事をお読みください 

 

 

なぜ、胃ろうを迷うのか?

本人の意思が分からないから、迷うのではないでしょうか?

「もっと生きたい」のか。

それとも、「早く楽になりたい」のか。

介護する側としては「一日も長く生きていてほしい」と思うかもしれません。

「苦しむ姿をみたくない」と思う方もおられるでしょう。

介護する方が何人もいる場合はそれぞれの立場で思いは異なることがあるかもしれません。

これまで現場でたくさんの患者さんとその家族を見てきて思うことは、「この問いに正解はない」=「どんな答えも正解」ということです。

そして、その答えを出すのは、一番身近なキーパーソン(主たる介護者)であるべきだと思います。

その他の家族(特に離れた所に住んでいる介護にあまり関わらない家族)は、キーパーソンの相談にはのってあげて欲しいとは思いますが、キーパーソンが決めた選択に口出しをしてはいけません。

家族の意見がまとまっていないと、医療スタッフも非常に困ります。

それは患者さん本人にとっても、望ましいことではありません。

キーパーソンも決して簡単にその選択をしたわけではありません。

決めた後も迷いはつきません。

それでも、その後のことを覚悟した上での選択だと思いますので、揺らぐようなことを周りが言うべきではないと思うのです。

 

胃ろうを薦める場合もある

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高齢者の認知症で食べられなくなった方への「延命措置」としての胃ろうは、医療現場の中でもあまり薦められなくなってきていますが、言語聴覚士として、「この人は胃ろうを作ったほうがいいな」と思う方もいらっしゃいます。

それは、「今は食べられないけれど、リハビリによって食べられるようになる可能性がある」と判断した場合です。

具体的な条件としては、

  • 脳卒中発症直後~半年以内
  • 年齢が~70歳くらいまで

こういう方は、胃ろうのメリットを最大限に生かすことができるので、主治医から胃ろうをおすすめする場合もあります。

胃ろうのメリットについてはこちらも合わせてお読みください 

 

 

胃ろうができない場合もある

逆に、胃ろうを希望したとしてもできない場合もあります。

主なものに、

  • 胃と腹壁の間に大腸や肝臓がある場合
  • 胃切除後の場合

などがあります。

このような場合は、別に栄養を摂る手段を考えなければいけません。

 

 

他の栄養をとる手段についてはこちらの記事をご覧ください。

 

 

何もしない場合について 

 

 

まとめ

胃ろうをすべきか考える時には、ともすると、胃ろうが良いのか、悪いのかということを考えてしまいがちですが、

  • 本当に胃ろうが適応なのかどうかを確認する
  • 本人の意思(キーパーソンの意思)

この2点を確認していくことがまず大事になります。

答えを出す過程はとても悩ましいものです。

でもきっと、お近くにいる看護師など医療スタッフは相談に乗ると思います。

本人もしくは家族がしっかり納得した上で、その方に合った選択をして頂きたいです。

 

こちらの記事も合わせてお読みください 

 

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