はじめに

      2017/04/17

もし愛すべき家族が、人生最後の最後で医者から

「もう口から食べられません。今後のことを考えておいてください」と言われたら?

 

「そのまま、何もせず死を迎えるってこと?」

「何もしなくていいのだろうか?」

「体にチューブを入れて栄養を摂る方法もあるって聞くけど…」

「水が飲みたいっていうけど、飲ませてあげられないの?」

 

戸惑い、悩む家族の姿をたくさん見てきました。

どの道を選んだとしても最終的には「死」につながるからです。

 

本人が「食べたい」「飲みたい」と言っているとき、食べさせてあげられないもどかしさを強く感じられている姿も、たくさん目にしました。

 

私は、ことばと飲みこみのリハビリテーションを業としている言語聴覚士です。

患者さんの飲みこみの能力を評価しその方の状態とレベルにあったプログラムを立案しリハビリテーションを行うのが私の仕事のひとつです。

 

時には「もうこれ以上、口からものを食べることはできない」と判断しなければならないこともあります。

心苦しいところもありますが、客観的に判断し、評価結果を主治医に報告する義務が私たちにはあります。

いい加減なことはできません。

 

その報告を受けた主治医は家族に冒頭のようなお話をするのです。

 

通常、そこで言語聴覚士の役割は終了するのですが、時には

本人が「どうしても口から食べたい」

もしくは、

ご家族が「どうしても口から食べさせたい」という強い希望がある場合があります。

その時は言語聴覚士としてできるだけの対応をさせて頂いています。

 

どちらかといえば、医療のことは医者にお任せ。

一昔前は食べられなくなったら胃ろうという、栄養剤をいれるために胃に穴をあける手術を医師から勧められ、「医者のいうことなら」とそのまま胃ろうを作り、その結果、食べる楽しみも喜びもなく、ほぼ寝たきりのまま、天命を待つということが当たり前に行われていました。

 

最近では延命目的だけの胃ろう造設に対して、否定的な報道がなされるようになりました。

しかし、そのことが返って家族を悩ませることになっていると思います。

 

お任せだった医療から、自分で考えて選択する医療へ。

これは決して悪い流れではないと思います。

今はインターネットを使えば、たくさんの詳しい情報を手に入れることができます。

でも、情報があればあるほど、迷い、悩むことも多くなります。

 

人生の最後をどう迎えるのか?

この答えは一つではありません。

人それぞれ違います。

自分たちで考えて、答えを見つけていかなければならない問題です。

 

私は言語聴覚士としてその現場にいます。

その答えを見つけていくためのお手伝いをするために、このブログを立ち上げました。

一緒に「人生最後の食事」について考えていきましょう。

 

 

 

 


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