
2018年5月23日(水)の「ためしてガッテン!」では物忘れ&認知症を予防!“記憶物質”大発見SPというテーマで放送されました。
もの忘れや認知症の原因として血糖値が関係しているとのこと。
番組で放送された内容ともに、分かりにくい部分を補足してお伝えします。
もくじ
血糖値が高いともの忘れしやすくなる?
番組内ではアメリカで行われた研究の結果を紹介していました。
その結果、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の値が高い人ほど、記憶のテストの結果が悪いことが判明。
高血糖によるもの忘れをしている可能性がある人
- HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
65歳未満の方 5.7% 以上
65歳以上の方 6.2% 以上
※HbA1cは1~2か月の血糖値の平均を示す値です。- 食後2時間後の血糖値 140g/dL 以上
引用:ためしてガッテン
糖尿病の診断基準の一つです。
ヘモグロビンは赤血球内のタンパク質のこと。
このたんぱく質と糖が結びついたものがHbA1cです。
このHbA1cで、過去1~2か月の血糖の量が分かります。
高血糖で起こるもの忘れは作業記憶の障害
作業記憶とは
作業記憶はワーキングメモリとも呼ばれます。
一時的な記憶されるもので、必要なくなればすぐに削除されます。
例えば、
4+9-3という計算をするときに頭の中では、
↓
13という答えを覚えておく
↓
そこから 3 を引く
というステップを踏んでいます。
このステップの中で 13という答えを覚えておくというのが作業記憶(ワーキングメモリ)となります。
この作業記憶は、答えが出てしまえば、13という答えを覚えておく必要はありません。
なので速やかに削除されます。
作業記憶(ワーキングメモリ)は日常生活の中で非常によく使われています。
そしてこの記憶ができないと、とても困ります。
例えば、カレーを作っている時、
↓
冷蔵庫を開ける
↓
お肉を取り出すことができる
というステップを踏むのですが、
作業記憶が障害されると、
(←作業記憶に入る)
↓
冷蔵庫を開ける
↓
何だっけ?
(作業記憶から取り出せない)
高血糖が原因で起こるもの忘れは、この作業記憶が障害されておこるものと、番組内では紹介されていました。
この作業記憶のチェック法として、1分間に動物の名前をいくつ言えるか?という方法を紹介していました。
13種類以下だと注意が必要だそうです。
このチェック法について言語聴覚士の立場から少し補足すると、このテストは言葉の想起をチェックするテストになります。
もちろん、これも記憶のテストの1種ですが、作業記憶のチェックをするのであれば、「前に言ったものと同じものを繰り返して言わないか」という点も確認されると良いのではないかと思います。
あと動物の名前であると、干支を思い出してしまえばあっという間に12~3種類言うことができてしまうので、「野菜の名前」などでもいいかもしれません。
もの忘れについてはこちらの記事もお読みください。
糖尿病と認知症の関係
番組では高血糖と認知症は密接に関係していると紹介されていました。
アルツハイマー型認知症などの認知症は、脳の中にアミロイドベータというゴミが蓄積されることによって引き起こされます。
糖尿病で高血糖状態が続くと、血糖を処理するインスリンというホルモンが働かなくなります。
脳内を流れる血液も高血糖状態になり、それが脳神経細胞に負担をかけると考えられています。
また、分泌されたインスリンを分解するインスリン分解酵素という物質が、アミロイドベータ(ゴミ)を洗い流す働きをするのですが、糖尿病でインスリンそのものが分泌されない状態だと、インスリン分解酵素も分泌されず、ゴミが洗い流されないため蓄積してしまいます。
それが、アルツハイマー型認知症の原因になる可能性があります。
2017年に行われたアルツハイマー国際会議で発表された認知症を引き起こす9つのリスク要因の中にも、糖尿病も含まれていました。
詳しくはこちらの記事をご確認下さい
糖尿病についてはこちらの記事をご覧ください。
アルツハイマー型認知症についてはこちらの記事をご覧ください。
もの忘れ&認知症を予防するための血糖値改善方法
週2~3回の有酸素運動
適度な糖質制限
野菜から食べる
糖質制限を意識した食事の方法についてはこちらの記事を参考にしてください
まとめ
認知症について書かれた記事はこちらにまとめました。