睡眠の役割からみる睡眠不足のリスクと『最高の睡眠』をとる方法

あなたは毎晩ぐっすり眠れていますか?

忙しすぎて寝るのは12時過ぎが当たり前。
いつも睡眠不足だよ…

 

なかなか寝付けなくて…
寝てもぐっすり眠れていないような気がするのよね。

 
家族にいびきがうるさいと怒られるんだよね。
『息、止まってたよ』と言われることもあるし。
睡眠時無呼吸症候群かな?

 
 
こんなお悩み抱えていませんか?
 
近年の研究では質の高い睡眠を適度にとることが、日常のパフォーマンスを上げる上でも、生活習慣病を予防する上でも、認知症を予防する上でも重要ということが明らかになってきました。
 
 
 

 

「寝る時間がもったいない」
「寝る間も惜しんで働く」

 

 
 
 
なんて思っている人もいるかもしれませんが、睡眠が果たしている役割や、睡眠不足になった時のリスクを知ると、『最高の睡眠』をとることがいかに大切かということが分かって頂けると思います。
 
この記事では次のことをお伝えしています。
 
  • 睡眠にはどんな役割があるのか?
  • 睡眠不足になるとどんなリスクがあるのか?
  • 質の高い睡眠=『最高の睡眠』をとるためにはどうしたらよいのか?
 

では、早速見ていきましょう。
 
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睡眠の役割には次の5つがあります。
  1. 自律神経を整える
  2. 記憶の整理をし、必要なものを保存する
  3. ホルモンバランスを調整する
  4. 免疫力を高める
  5. 脳の老廃物を洗い流す
 
 

1.自律神経を整える

 
私たちの体内の活動は常に自律神経に支配されています。
自律神経とは?

呼吸や心臓の動き、体温の調整、消化活動、ホルモンの代謝など、人の意思ではなくその場その場の状況で働きを調整する神経のこと。

簡単にいうと、体の調子を整える働きをする神経。

 
自律神経には、
交感神経<活動モード>
副交感神経<リラックスモード>
の2種類あります。
 
自律神経は一日を通して、交感神経と副交感神経が代わる代わる優位になります。
大まかにいうと、昼間は交感神経が優位となり、夜は副交感神経が優位になります。
 
 
 
夜、ぐっすり眠ることで副交感神経が優位となり、脳も体も休むことができます。
しっかり休むことで翌朝、交感神経が働き、しっかり活動することができるのです。
 

2.記憶の整理をし保存する

 
脳の海馬(かいば)という部分が記憶の中枢として知られています。
 
海馬は五感を通じて入ってきた刺激を全て統括し、それが必要か不要かを判断して、必要なものだけを大脳の関連の部分に届くように回路をつくって保存しています。
 
その作業は主に眠っている間に行われます。
 
 
 

3.ホルモンバランスを整える

 
ホルモンとは体のある器官からある器官へ出されるメッセージ物質です。
メッセージは体全体に送られますが、受け取ることのできる器官だけがそのメッセージの通りに働きます。
 
睡眠によって影響を受けるホルモンには次のようなものがあります。
 
成長ホルモン…骨や筋肉をつくる 
       糖・脂質代謝 
       皮膚や粘膜の修正・再生
レプチン…食欲を抑える 
     睡眠によって分泌される
プロラクチン…生殖 母性本能
 
 
 

4.免疫力を高める

 
しっかり眠ることでホルモンバランスが整い、免疫力が高まります。
「風邪は寝て治す」とも言いますが、体を休めることと免疫力を高めるという意味から考えても理にかなっていることですね。
 
 

5.脳の老廃物を洗い流す

 
脳の周囲は脳脊髄液(のうせきずいえき)という液が循環しています。
しっかり眠ることによって、脳脊髄液が脳の老廃物を洗い流してくれることが研究の結果で分かっています。
 
その老廃物の中には、アルツハイマー病の原因となるアミロイドベータという物質も含まれます。
 
しっかり眠ることは、アルツハイマー病の予防にもつがなるのではないかと考えられています。
 
 
 
 
 
 

睡眠不足のリスク

 

日常生活での問題

 
ご自分が寝不足の時にどんな状態になるでしょうか?
 
  • 常に眠気を感じ、ボーっとする
  • 頭が働かない
  • 判断力がない
  • 記憶力が低下する
 
『スタンフォード式最高の睡眠』という本の中では、睡眠不足はもっと深刻な問題だとして、次のような研究結果を紹介しています。
 睡眠負債*については、興味深い実験結果がアメリカの学会誌『Sleep』に発表されている。
 内科などの夜勤がある科と、放射線科や内分泌科などの夜勤がない科の医師20名を対象に、翌日の覚醒状況を比較した。
 具体的にはタブレットの画面に丸い図形が約90回ランダムに出現する画像を5分間見て、図形が出るたびにボタンを押す、という作業に取り組んでもらう。
 (中略)
 前日に通常通りの睡眠をとっている放射線科や内分泌科の医師たちは正確に図形に反応した。
 一方、夜勤明けの内科医は、図形が約90回出現するうち、3,4回も数秒間図形に反応しなかった。反応しない間、なんと医師たちは眠っていたのである。
 (中略)
 夜勤明けの医師たちが陥ったこのような状態をマイクロスリープ(瞬間的居眠り)といい、この状態は脳波で確認できる。マイクロスリープは1秒足らずから10秒程度の眠りを指し、脳を守る防御反応といわれたりもする。
 つまり、防御反応が出るくらい睡眠負債は「脳に悪い」のである。
 
*睡眠負債については、後ほど説明しています。
 
引用元: 西野精児著『スタンフォード式最高の睡眠』より
西野氏はさらに、このマイクロスリープは本人の自覚がほとんどないため、飲酒運転よりも危険ではないかと述べています。
夜勤勤務などをされている方にとっては、夜勤明けの車の運転は、本当に気をつけなければなりません。

生活習慣病

睡眠不足が続くと生活習慣病を引き起こす可能性があります。

肥満

 
睡眠不足になると、食欲増進ホルモンであるグレリンが分泌されます。
夜中に起きているとお腹がすくのは、このホルモンの影響です。
 
逆に、睡眠をとることによって分泌される食欲抑制ホルモンレプチンは、睡眠不足で分泌されません。
 
ホルモンの影響で、食欲が増加し、しかも食べても、食べても抑制されにくくなります。
つまり、食べすぎてしまう危険が大
 
夜中に際限なく食べてしまうことを繰り返すと肥満になる可能性が高まります。
 

高血糖

夜中まで起きていると、ホルモンの影響でお腹が空いて、ついつい食べてしまい、食べ過ぎの状態になりやすいと前の項で説明しました。
 
食べ過ぎは血糖値を上げる一番の要因にもなります。
 
睡眠中に分泌されるはずの成長ホルモンによる糖・脂質代謝が働きにくくなり、血液中の血糖がエネルギーとして使われないため、血糖が高くなります。
 
また、食べすぎて肥満になると、インスリンの分泌も悪くなり、血糖値が下がりにくくなります。
 
高血糖の状態が長く続くことで、糖尿病になる可能性が高まります。
 
 
 
 
 

高血圧

 
血圧も自律神経の支配を受け、1日の中で変動しています。
朝起きると交感神経の影響で徐々に血圧が高くなり、夕方になり副交感神経が優位になると血圧も低くなります。
 
十分な睡眠をとることができず、自律神経が交感神経優位のままになると、夕方以降も血圧が下がらない状態になってしまいます。
 
 
 
 

精神的不安定・ストレス

 
睡眠にはストレスの解消の役割もあります。
 
睡眠不足によってうつ病や不安障害、アルコール依存症、薬物依存症などの発症率が高くなるという研究データがあります。
 
 

認知症

 
睡眠をとることによって、脳の老廃物を洗い流すことができますが、睡眠不足になると、それができません。
 
とくにアルツハイマー病の原因となるアミロイドベータが洗い流されないことによって認知症を発症する可能性が高まります。
 

睡眠負債

 
このように睡眠不足が重なることによって、記憶力、判断力、思考力などの日常のパフォーマンスが下がるだけではなく生活習慣病や認知症などの病気を引き起こす可能性があります。
 
睡眠が足りないことがどんどん積み重なって、借金のように体への影響が大きく膨らんて行くので、睡眠不足という表現ではなく、睡眠の研究者の間では「睡眠負債」と言われるようになってきました。
 
2017年6月にはNHKスペシャルで「睡眠負債が危ない」という番組が放送され反響が大きかったようです。
 
睡眠負債についてはこちらの記事にまとめました。
 

睡眠不足が起こる理由

  • 忙しくて寝る時間が遅い
  • 加齢
  • うつ病、統合失調症などの精神疾患
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • ナルコレプシー
  • むずむず脚症候群
 
これらの理由で睡眠不足になりやすいようです。
 
年をとると睡眠時間が短くなるのは仕方がないのかもしれません。
睡眠時間をしっかり確保することが難しい方も多いことでしょう。
 
でも、睡眠で大切なのは、量よりも質。
次の項では、『最高の睡眠』をとるための方法についてお伝えしていきいましょう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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『最高の睡眠』をとるために

睡眠時間は長くても短くてもダメ

 2002年にサンディエゴ大学のダニエル・F・クリプケ氏らが米国がん協会の協力を得て実施した100万人規模の調査では、アメリカ人の平均的な睡眠時間は7.5時間だった。
 6年後、同じ100万人を追跡調査したところ、死亡率が一番低かったのは、平均値に近い7時間眠っている人たち。彼らを基準にすると、それより短時間睡眠の人も、逆に長時間睡眠の人も「6年後の死亡率が1.3倍高い」という結果が出ている。
 
引用:西野精児著 『スタンフォード式最高の睡眠』
 
睡眠不足が引き起こすリスクを確認してきましたが、ただ長く睡眠をとるだけではいけないようです。
 
また、休日にまとめて睡眠をとる「寝だめ」をしても、睡眠負債を返済することはできないのだそうです。
 
睡眠そのものの質を高めることが重要です。
『スタンフォード式 最高の睡眠』によると、
 
睡眠時間は最低6時間は確保。
どんなに睡眠時間が短くても、
最初の90分間の睡眠を深く眠ること。
 
 
そのために自分ができる工夫として『スタンフォード式 最高の睡眠』では次のような方法が挙げられていました。
 
  • 就寝時間と起床時間を決める(特に就寝時間)
  • 就寝90分前に入浴をし体温を上げる
     → 入浴後体温が下がると睡眠
  • 寝る前は頭を使わない
     … スマホ、読書は避ける
  • 眠る環境を整える
     … 室温、寝具、照明など
  • いつものル―ティンを決める
     … 脳はいつものパターンだとリラックスできる
 
 
その他には以下のようなことに注意するのも有効です。
  • 昼間に太陽の光を浴びる
  • 寝る前に食事をしない
  • 寝る前にアルコール、コーヒー、たばこは避ける
このようなことに気をつけながら、『最高の睡眠』が得られるよう、自分の習慣を見直してみてはいかがでしょうか?
 
 

参考文献紹介

 
今回この記事はこの本を参考にして作成しました。
 
世界一の睡眠研究所といわれるスタンフォード大学の西野精児氏がエビデンス(科学的根拠)に基づいて、睡眠の基礎的知識や「最高の睡眠」を得るためにはどうすればよいのか、分かりやすく説明されています。
 
忙しいビジネスマンを想定して、「明日早く起きなくてはならない時」「夜中にまだ作成しなければならない資料がある時」の対処法や、「昼間睡魔に襲われた時」に役立つ方法が記されています。
 
睡眠に悩みを抱える方必読の一冊です。
 
 
 

まとめ

  • 私たちが毎日とっている睡眠には次のような役割があります。
  1. 自律神経を整える
  2. 記憶の整理をし、必要なものを保存する
  3. ホルモンバランスを調整する
  4. 免疫力を高める
  5. 脳の老廃物を洗い流す
  • しっかり睡眠がとれないと、その不足分はどんどん積み重なり負債となって体に影響が出てきます。
  • 睡眠は長ければよいというわけでもなく、寝だめをしても意味がありません。睡眠そのものの質を高めることが重要です。
 
 
 
 
 
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